サービスの面白さを伝える「サポート」もあるーー隠れたキーマンを調べるお・ミクシィ奥田氏インタビュー

by OshibaTakanori OshibaTakanori on 2015.6.28

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編集部注:「隠れたキーマンを調べるお」は、国内スタートアップ界隈を影で支える「知る人ぞ知る」人物をインタビューする不定期連載。毎回おひとりずつ、East Venturesフェローの大柴貴紀氏がみつけた「影の立役者」の素顔に迫ります。

「モンスト」の爆発的ヒットで大注目のミクシィ。躍進を続けるミクシィにおいてユーザーサポート部門を統括し、影ながら「モンスト」を支え続けているミクシィMS本部長奥田匡彦氏にお話を伺ってきました。

大柴:今回はモンストのユーザーサポートなどを統括するミクシィの奥田匡彦さんにお話を伺いたいと思います。よろしくお願いします!

奥田:よろしくお願いします!

大柴:奥田さんは現在37歳とのことですが、ミクシィに入社されたのはいつですか?

奥田:2年ほど前で、2013年4月入社です。

大柴:モンストのリリース(2013年10月)の前なんですね。それではミクシィ入社後の話は後ほど聞くとして、まずは経歴の方をざっと伺いたいと思います。

奥田:はい。大学に入ってすぐに光通信でアルバイトを始めたんです。98年ですかね。

大柴:98年というともうイケイケの時ですね。

奥田:そうですね。時給が良くて光通信を選んだんですよね。それなりに結果を出していたので、居心地がよかったんです。

大柴:凄いですね。

奥田:ただ、大学にはあまり行かなくなってしまい(笑)。結局大学は中退しました。当時、新卒教育なども含めて現場の育成を任されていたので、そちらに注力していましたね。完全に間違った判断です(笑)。

大柴:おぉ。

奥田:かれこれ5年ちょっと働いて、子会社の立ち上げなどにも参画したりしていたので、最終的に立ち上げた子会社では、もう役員の次に古いメンバーがバイトの僕ということになってしまいまして….。

大柴:それだけ働いて、成績も良くて、大学も辞めていたのならば、「社員にならないか」と誘われたんじゃないですか?

奥田:ああ、はい…そうですね。結構何度も誘われました。その都度断っていたんですが、ついに断れなくなって、その会社を辞めました。

大柴:え(笑)。

奥田:社員にはなりたくなかったんですよね。朝礼とか絶対出ない!とかよくわからんことを貫き通してたので(笑)。

大柴:なるほど。

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奥田:それで光通信を辞めて次のアルバイトを探そうと思ってヤフーで検索しようとしたんですよ。そしたらトップページの右下に「ヤフーで働きませんか?」みたいなバナーが表示されてて、「おお!受けてみよう!」って直感的にそのバナーをポチッと。それでヤフーで働くことになりました。

大柴:偶然表示されたバナーから(笑)。

奥田:はい。アルバイトじゃなくて正社員だったのですが。まぁ色々事情も重なって真面目に働こう!と思いました。

大柴:なるほど。

奥田:入社が2004年の2月だったので、会社が六本木ヒルズに移転したタイミングで、しかも夜勤がはじまり…。六本木で働くのも初めてで、光通信があった池袋とはこれまた違った何かを感じまして。夜勤もあり寒いし・・・。そんな最初でした(笑)。

大柴:ヤフーではどんな業務をなさっていたのですか?

奥田:基本的にヤフオクの担当でした。ヤフオクのユーザーサポート部門です。そこから不正対策をずっとやってまして、最後の2年間は全サービスの、対応に苦慮する案件だけを担当していました。で、サポートに関して一通りやったなあと思い2008年に退職を決めました。ヤフーのサポートではいろんなことをやらせてもらえたし、外へ出てみようと思って。

大柴:そうなんですね。

奥田:はい。退職後半年くらいですかね、ぷらぷらしてたんです。友達のベンチャーの立ち上げを手伝ったり。そんな時にピットクルーというインターネット監視事業の創業者の方と久しぶりにごはん食べてまして、「うちにどうですか?」とお誘いいただいたので、ピットクルーに入社することにしました。

大柴:なるほど。奥田さんはどんな業務を?

奥田:最初は営業をやらせてもらいました。当時の社長からは何ができるんだみたいなことを言われたので、とりあえず営業が一番結果としては分かりやすいかなと思いまして。運よくそれなりに営業結果を出せたので、1年経って部長になって、2年経って執行役員にあげてもらって事業全体を統括するようになり、3年経って取締役副社長に就任しました。

たまたま、これまでやってきたことが運よく噛み合ったんですよね。営業もやってきたし、サポートや監視のオペレーションも経験してきたし。

ピットクルーは2011年に持ち株会社ポールトゥウィン・ピットクルーホールディングスを設立して、その年の10月にマザーズに上場しました。翌年には東証一部に鞍替えしたんですが、その頃、ミクシィに誘われたんです。

大柴:なるほど。

奥田:かねてから取引もあって、ユーザーサポート業務の相談を受けたりしていたんです。その流れで誘われたんですが、タイミング的にちょっと難しくて、断っていたんです。でも笠原さん(現ミクシィ取締役会長の笠原健治氏)とお話しする機会をいただいて。それで心が動いて、ミクシィに行くことに決めました。

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大柴:ミクシィに転職されたのは2013年4月ですよね。

奥田:そうですね。最初はmixiの健全化を担当していましたが、モンストの急速な伸びがあって、健全化だけでなくサポート全般に携わりました。サポート体制の拡大を担当して、内部のマネージメントや外部のサポート企業のコントロールなど全般的にやりました。サポートにおいてはちょっと意識して取り組んでいることがあるんですよ。

大柴:ほう。それはどんなことですか?

奥田:マニュアルやテンプレだけじゃない、一人一人、その人に必要なサポートをしてみたいなって。例えば、モンストってみんなでわいわい遊ぶマルチプレイが特徴なんです。病気や怪我で入院しているお子さんや、離島に住んでいるお子さんなど、ひとりでしかプレイできないストレスをぶつけてきてくれる方もいらっしゃいます。なので、弊社までお問い合わせをくれた人と一緒にマルチプレイしたりもしています。

もちろんそれはマニュアルにはない例外的な対応です。ユーザーが増えるにしたがってマニュアル的に対応しないといけない部分が増えるのももちろんんですが、その反面特殊な事情を抱えたユーザーも一定比率いらっしゃいます。そういった方には可能な限りその方が抱える事情に寄り添ってサービスの面白さを伝える「サポート」なんかもしていきたいなと。

大柴:たしかにそういうサポートはマニュアル一辺倒では難しいですよね。

奥田:問題を解決するのもサポートですし、サービスの面白さを伝えるのもサポートだと考えています。

大柴:すばらしいですね。こういったサポートの皆さんの地道な活動もモンスト人気の一端を担ってるんですね。

奥田:すんません、なんかやっとまともな事を話した気がします。これからもよりよいサポート方法を考えながら、ユーザーの皆さんに楽しんでもらえるようなサポートをしていきたいです!

大柴:さて、ミクシィは現在森田さんが代表取締役社長ですが、森田さんはどんな方なのですか?

奥田:先ほどお話ししたような「踏み込んだ対応」なんかも許容してくれる寛大さがあります。そういう意味ではこれまでもそうでしたが、チャレンジに対しては、すごく後押ししてくれます。社長ではありますが、フラットな感じで、僕らと同じような席に横並びで座ってますね。

大柴:なるほど。笠原さんのデスクもそんな感じなんですよね?

奥田:そうですね。笠原さんはさらに現場に意識的に関わってらっしゃる印象がありますね。現在は「家族アルバム『みてね』」という家族間で子供の写真や動画を共有するアプリのプロデューサーをしています。なので、ユーザーサポートに関する相談なんかをされたり、ふらっと席まで来られることもあり、こちらが恐縮してしまいますね。

大柴:最後に奥田さんの将来の夢みたいなものをお伺いできればと。

奥田:夢ですか・・・そうですね、ユーザーサポート、カスタマーサポートは一通りやってきたし、そのノウハウを形にしたいなと思ってます。コールセンター業務のノウハウに関する本はたくさんありますが、メールやチャット、CGMなどを使ったユーザーサポートに関する疑問を解決するようなものはあまりないんです。本じゃなくてもいいけど、共有していきたいなって思います。

大柴:良いですね!ぜひいつの日か!今日はありがとうございます。

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