ザッカーバーグ氏が力説する、外部採用CEOではなくファウンダーCEOであることの利点とは

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先日、突然の閉鎖で話題になったテックブログ「GigaOm」のファウンダー、オム・マリク氏がFacebook上でマーク・ザッカーバーグ氏宛に投げかけた質問に、ザッカーバーグ氏自身がコメント欄で回答した内容が話題を呼んでいます。

マリク氏は、「Twitterが現在抱える問題は、ウォール街の人々(他の投資家も含めて)がCEOと強い力を持つファウンダーを違う目で見ているという事実にどれだけ起因していると思うか」と質問。つまり、ザッカーバーグ氏のようにファウンダーがそのままCEOとして経営の指揮をとっている「ファウンダーCEO」と、Twitterのディック・コストロ氏のようにファウンダーでないCEO「非ファウンダーCEO」の間に違いはあるのかと。

この質問に対して、ザッカーバーグ氏は自身の考えを綴りました。彼は「非ファウンダーCEOとファウンダーCEOは、経営力において本質的には違いはない」と前置きした上で、それでも「ファウンダーCEOが得られる構造的な利点もある」と語ります。

彼の意見は主に次のような内容。

  • 決断がしやすくなる。短期的な利益と長期的な利益の両者を見据えて決断を下さなければならないが、CEOとしての力が大きいほど、自分が正しいと思うことを実行し、短期的な利益を優先しようとする人々のことを無視しやすくなる。
  • 周囲からの信頼が得やすい。ファウンダーであることと、会社の中核プロダクトをつくったという実績から得られる社会資本によって、より周囲からの信頼が得られるし、厳しい決断を下さなければならないときにも寛容に捉えてもらえる。
  • 解雇されにくい。投資家によって解雇されにくくなる。それによって、業績の悪い四半期が続いたり、短期的に見れば賛否両論のある決断をしたときでも、自分の仕事を失う心配をしなくて済む。したがって、自分が正しいと思う決断を下すことが容易になる。

と利点を挙げた上で、それでも経営者として最も重要なことは「明確なビジョンを描くことと、自分が正しいと思うことを実行すること」だと言います。この点に関しては、非ファウンダーCEOであってもすばらしい実行力を発揮できるCEOも多いし、逆にファウンダーだからといって、この点に長けているとも限らないとも言います。

最後に、「CEOの役割ばかりが注目される傾向にあるが、チーム力こそが重要。中心メンバーのチーム力なしにはFacebookを築くことはできなかった」とチーム力の重要性についても触れて、長文コメントを締めくくったザッカーバーグ氏。彼の経営者としての哲学と意志が強く感じられる内容でした。

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