人工知能が入会審査を行うSNSーーLipが大学生や院生向けに「Lemon」をリリース

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今年の6月にサンフランシスコで時間限定のマッチングアプリ「5pm」をリリースしたスタートアップ、Lipが本日新たなサービスをリリースした。

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「人と人との関係性を深化させる」というテーマを掲げているLipが新たにリリースしたのは、人工知能による入会審査を設けた大学生、大学院生向けSNS「Lemon」だ。

本日から提供を開始し、ユーザエントリーの受付を開始している。

マッチングを加速させるための「審査制」

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Lipは、完全招待制のβ版を6月25日より運用を行っていた。招待されたのは新しいつながり作りに積極的な学生たちだという。Lip共同代表の関口舞氏は、このサービスが提供する価値の軸について、

関口氏「親和性が高い一定の審査基準をクリアした人だけが集まっているコミュニティを形成することで、新しいつながりが生まれやすくなると考えています。「Lemon」を通じて、人との繋がりを得られることが一番の価値になっていくと考えています。

例えば、フランス留学経験のある大学生がメキシコで起業経験のある大学生と「Lemon」上でつながり、実際に会って有意義な話を聞くことができたり、宇宙に興味のある学生が宇宙開発の研究を行う学生と交流するなど、すでにいくつかのマッチング実績があります。こうした機会をさらにたくさん創出していきたいと思います」

と語る。このサービスの一番の軸となる「審査」を担うのが人工知能だ。

人工知能が審査を行う

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入会審査はLipが独自に開発した人工知能エンジンが行い「30%以上の既存メンバーとの親和性がある」と判定された場合に限り、入会が可能となる。なぜ審査を人工知能で行うのだろうか。

関口氏「これは非常に大切な点で、このサービスへの入会を認めるかどうかを、サービス提供者が判断するのではなく、既存メンバーが定めるべきというポリシーを持っているからです。既存メンバーにとって望まれるメンバーを既存メンバーの視点・感性をベースにしていれていく。ここがLemonの面白いところだと思っています。

そのため、その判定基準を「既存メンバーの30%以上と親和性がある」としています。これを実現するには総当り判定をやらなくてはなりません。とても人力で行うのは難しくなります。メンバーの選好モデルの学習を深め、アルゴリズム自体も進化させることで、既存メンバーたちの感性をアルゴリズムに落とし込み、それぞれメンバーの人間らしい判定ができるようにしていきます」

無事、審査をクリアしたユーザには、2つの機能が提供される。ひとつは、「メンバー紹介機能」だ。親和性が高い相手を人工知能が検出し、毎日紹介が行われ、相手に興味を持ったらメッセージをやりとりが行われる。

もうひとつは「ボード機能」だ。自由に書き込みができる掲示板があり、メンバー同士でコミュニケーションをとることができる。就職活動についてや学校生活についてなどの情報交換を実施可能となっている。

関口氏「まずは既存のユーザと親和性の高い大学生、大学院生を日本の学生数の1%程度を集めることを目標としています。その後、各業界で活躍する社会人のエントリーも可能としていきます。いずれは、アジアを始めとした海外にも展開し、各業界・各国の厳選されたメンバーと交流でき、新しいつながりを創出する場にしていきたいと考えています。」

Lipの最初のプロダクトであるマッチングアプリ「5pm」も北米で順調な滑り出しを見せており、今後アジアへの展開も予定しているという。Lipのプロダクトを見ていると、マッチングの生み出し方にはまだまだ色々な可能性があることに気づかされる。

「アイデアはすでに色々あるんです」と語るLipが今度どのようなサービスを生み出すのか。生み出したサービスはどんな成果をもたらすのか、引き続きチェックしたい。

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