BASE創業期を支えた若手開発者たちとその理由ーー隠れたキーマンを調べるお・BASE結城氏、藤田氏インタビュー

by OshibaTakanori OshibaTakanori on 2015.7.26

編集部注:「隠れたキーマンを調べるお」は、国内スタートアップ界隈を影で支える「知る人ぞ知る」人物をインタビューする不定期連載。毎回おひとりずつ、East Venturesフェローの大柴貴紀氏がみつけた「影の立役者」の素顔に迫ります。

無料で簡単にネットショップを作ることができるサービス「BASE」。代表取締役の鶴岡裕太氏、共同創業者の家入一真氏など界隈を代表するメンバーによって運営されるBASEですが、創業時から影で支える若手開発者、リードエンジニアの結城一生(いっせい)氏とデザイナーの藤田健太郎(ふじけん)氏に今回はスポットを当て、インタビューしてみました。(※情報開示:筆者の所属するEastVenturesはBASEと出資関係にあります)

大柴:いつも会ってるので何か変な感じしますが、今日はよろしくお願いします。ていううか一生さん、黒過ぎないっすか?(笑)

結城:連休中にチームしゃちほこのライブに行って日焼けしました。

大柴:なるほど(笑)。まぁとりあえずそれはいいとして、早速いろいろ聞いてみたいと思いますが、一生さんがBASEに入ったのはいつですか?

結城:2013年1月です。その頃は関西の大学生だったのですが、自分でWebサービスを作りたくて大学を休学していたんです。ちょうど東京のとあるVCが起業家支援プロジェクトみたいのをやってるのを知って、友達と一緒に応募してみたんです。

大柴:なるほど。

結城:2012年の12月だったかな。それで滋賀から上京してきて、自分達のアイデアをプレゼンしたんですが、フルボッコにされまして(笑)。

大柴:そうなんですね。

結城:もうこれはプロジェクトに落ちたなってしょんぼりして六本木をふらふら歩いてたんです。でもせっかく東京に来たし、そのまま帰るのもアレだなって。「そうだ、家入さんに会おう。会いたい!」って思ってTwitterにツイートしたら、家入さんが反応してくれて、すぐに六本木で会うことになったんです。

大柴:すごい!

結城:その時に家入さんと一緒に鶴岡さんもいたんですよ。BASEがリリースした直後くらいで、凄い伸びてるサービスというのは知っていて。

大柴:なるほど。

結城:それで、家入さんが「とりあえず東京に来ちゃえばいいじゃん」って(笑)。「BASE手伝ってよ」って。

大柴:いきなりですね。

結城:いきなりだったんで、とりあえず一度滋賀に戻って、考えたんです。お金も無かったんで悩んだんですが、BASEはイケてたし、やってみようかなって。半月後くらいに友達と一緒に東京に向かいました。部屋も借りてなかったんで、最初はホテル住まいでした。

大柴:そんないきさつだったんですね。それが2013年1月頃。ちなみにBASEリリースが2012年11月で、会社設立が12月ですね。

結城:はい。まだ会社感無くて、六本木のシェアオフィスに鶴岡さん始め5人くらいが何となく集結してやっていた感じでした。僕も最初は社員ではなく、業務委託みたいな扱いでしたね。

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大柴:創業時のバタバタ感が伝わってきますね。一方ふじけんさんは。

藤田:2013年2月からです。

大柴:その頃は何をしてたんですか?

藤田:新卒で入った会社を辞めて、デザインの専門学校に通っていました。学校に通いながら自分でWebサービスを作ったりしてたんです。ちょうどBASEがリリースされて話題になっていたんですよ。それで商品をスクレイピングしてキュレーションみたいにしたら面白そうだなって思ったので、そういうサービスを作って公開したんです。

大柴:ほうほう。

藤田:そうしたらそのサービスを鳥居さん(元East Venturesの鳥居佑輝氏)が見つけたみたいで。

結城:そうそう。鳥居さんが見つけて、社内にすぐに共有されたんだよね。

藤田:サイトの上部と下部に「お仕事募集中」みたいなバナーを貼っていたんですよ。それで鶴岡さんからTwitterのDMが届いたんです。いやー僕としては怒られるかなーってかなりビビったんですよね。

大柴:DMには何て書いてあったんですか?

藤田:「面白いサービスですね。一度オフィスに遊びに来ませんか?」って。こっちとしては「ごめんなさいごめんなさい、すぐに行きます」って(笑)。その日のうちに六本木のオフィスに行きました。

大柴:早い(笑)。

藤田:オフィスに行って、鶴岡さん、鳥居さんとかと会って、「BASE興味ありませんか?働きませんか?」って言われて働くことになったんです。

結城:サービス見て「それなりにコード書けそうだし、良さそうな人かも」みたいな話だったんですよ。

藤田:それで2月からBASEに通うようになって、4月に正式に入社しました。一応BASEの社員第一号なんです。

大柴:そうなんですね。一生さんが社員になったのは?

結城:僕は11月くらいかな。9月に大学を辞めて。

大柴:そうなんですね。

藤田:その頃って一番大変だったんじゃない?

結城:そうだね・・・。BASE Appsマーケットのリリースの時期で。その辺の開発全般をやっていたんだけど、いろんな葛藤があって・・・。いろいろ辛いこともあったんだけど、リリースできて。

藤田:リリース後に一生さん一週間くらい休んでたよね(笑)。

結城:あれは単に風邪こじらせただけだから(笑)。

大柴:その頃って資金調達もありましたね。

結城:サイバーエージェントと資金調達の話をしているってのは何となく知っていて、多少社内もざわざわしてたかも。

大柴:へえ。

結城:正式に決まって、毎週金曜日にやってる全社定例で鶴岡さんから「サイバーエージェントからの出資が決まりました」と発表があった時は拍手が起こったよね。

藤田:そうだそうだ。

結城:正直感動しました。

大柴:その後グローバル・ブレインからの出資も決まるなど急激に成長が加速していき、2014年3月には念願の独立オフィスに移転します。

結城:ずっと狭くて(笑)。とにかく新オフィスの広さに感動しました。

藤田:六本木シェアオフィスの時は一つの机を二人で利用するような感じだったからね。

大柴:最初は一部をEast Venturesが使っていましたが、すぐに追い出されて(笑)。人も増えたからね。進さん(取締役COOの進浩人氏)、えふしんさん(取締役CTOの藤川真一氏)が加わったりして。それまで若い人だけでやってきたわけだけど「大人」の人達が加わったのはどうでした?

結城:そうですね、僕としては「やっと大人がきたな」って思いました。自分達のような若い世代だけでやってきて、それなりに自信みたいのもあったんだけど、でも先のことを考えるとちょっと不安な部分もあったりして。

藤田:まぁそれはあるよね。

結城:経験豊富な人が入って、自分達がわからない部分を教えてくれたり、補ってくれるのは心強いなって。えふしんさんが入社した時に「こういう想いで入った」というのをプレゼンしてくれたんだけど、あれは結構良かった。

藤田:「コードを書かない」ってのはちょっとざわついたけどね(笑)。

結城:結局書いてるからね(笑)。

大柴:さてこの流れで鶴岡さんについて聞いてみたいんですが、どうですか?

結城:初対面の印象は「デカいな」って(笑)。いや、まぁそれは置いといて、面接みたいな時に「自分は決済をやりたい」って言ってて。今ECやってるけど、決済やりたいんだなって思ったのを覚えてるんです。

それで今年PAY.JPを発表して「あ、ついに鶴岡さんの夢に近づいたな」って思いました。最初っから先のことを明確に考えていて、その通りに進めている。ビジョンがはっきりしてる人だなって。

大柴:ふじけんさんはどうですか?

藤田:特にないです。

大柴:そういうのいいから(笑)。ほんとはあるくせに。

藤田:あるんですよ。鶴岡さんを一言で表す良い言葉を考えてきたんですよ。

大柴:ほう。

藤田:鶴岡さんは「ちょうどいい人」だと思うんですよ。

大柴:ちょっとわからないんで、説明してもらってもいいですか。

藤田:開発でもマーケでも人間関係でも、ちょうどいいんですよね。バランスがいいっていうか。全てわかっていて、でもちょうどいい立ち位置にいて、それぞれに寄り過ぎないで判断できる。そういうことです。

大柴:なるほどなるほど。いろんな見識を持ち、かつBASEとしてこうしたいという軸があるから、ちょうどいい判断ができるのかもしれないですね。

藤田:それです。

大柴:では、せっかく二人いるので、それぞれがそれぞれのことをどう思っているのかも聞いてみようかな。

結城:恥ずかしいな。

大柴:では一生さんから見て、ふじけんさんはどういう人ですか?

結城:新卒で企業に勤めた経験もあるし、バックエンドの理解もある。フロントも一通りできる。初期BASEに必要なものを持っていたなって。ふじけんさんじゃなかったらもっと開発スピード落ちてたと思う。

大柴:なるほど。スキル面以外のとこはどうですか?

結城:最近特に変わったなって思います。チームを意識するようになった。端から見てて「上手にやってるなぁ。コミュニケーション力なのかな?」と。尊敬しつつ、吸収していけたらなって思ってます。

藤田:ずっとデザインチームは一人だったし、同じチームに人が入ってきて喜びあった。学びたかったし。

大柴:ふじけんさんから見て一生さんはどうですか?

藤田:考えたんですけど、思いつかないんですよね。

結城:ちょっと!

藤田:責任感強いなって思いますね。自分で背負いすぎて、苦しんでるなって思うんですよね。相談してくれればいいのに。

結城:うーん、じゃあ相談するようにするよ。

大柴:初の独立オフィス移転から1年ちょっと経ち、今月から新しいオフィスに移転しました。

結城:感動だよね。

藤田:特にトイレがきれいで感動したね。

大柴:新オフィスに移転して意気込みとかありますか?

結城:意気込みというか、怖さはありますね。プレッシャーは増しました。でもやるだけだし、向かっていかないと沈むだけだし。まだまだ攻めていかないといけないので、ガンガンいきたいです。

藤田:なんかカッコイイこと言いましたね。

大柴:なんかカッコイイこと言いましたね。

結城:なにそれ(笑)。

大柴:じゃあそろそろ終わりたいので、最後に今後の展望みたいのを聞かせてください。

藤田:人も増えてきたし、社内の活性化、コミュニケーションを活発にしていきたいです。そこはある意味使命感持ってやっていこうかと。変える所は変えていく必要があるけど、BASEの醸し出す雰囲気みたいのは残していきたいし。

大柴:なるほど。一生さんは?

結城:社外から見て「いいな」って思ってもらえるエンジニアチームにしていきたいです。あと、やっぱり自分のサービスもいつかは作ってみたいですね(笑)。まぁ、開発チーム全体もそうだけど、自分でサービスを作れるくらいのスキルがあるといいですね。そういうチームにしていきたいです。

大柴:なるほど。普段聞けない話が聞けたんじゃないかと思います。今日はありがとうございました。

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