日々の妊活をスムーズにーー寝ているだけで基礎体温が測れる耳栓型「YONO」がKickstarterで事前予約

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耳栓型の基礎体温計「YONO」

8月3日にKickstarterでプロジェクトを開始したのが、ウェアラブル型基礎体温計「YONO」です。プロジェクト最終日の9月17日まで約1ヶ月を残して、既に目標調達額である3万ドルを突破しています。YONOを開発するYONO Labsのファウンダー兼CEOのVanessa Xiさんにお話をうかがいました。

YONOは、妊娠を希望する女性が把握する必要のある「基礎体温」を測ってくれるデバイスです。平日・週末関係なく、朝決まった時間にアラームが鳴り、体温計を口内に入れて身体を動かさないように数十秒間待つ。毎日繰り返す行為であるにも関わらず、やりづらいのが正直なところ。

最近では、より短い時間で計測できる基礎体温計も登場していますが、この一連の「寝起きの行為」を強いられ、別途手帳やアプリに記録する必要があることに変わりはありません。

基礎体温を正確に測るためにたどり着いた「耳栓型」

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寝ている間に継続された基礎体温は、YONOを外した後にスマホに転送

一方、YONOで基礎体温を測るのは至って簡単。耳栓のようにYONOを入れて眠りについたら、朝起きた時にそれを外す。これだけです。寝ている最中のデータ転送などは一切なく、YONOを耳から外すとデータがスマホに転送され、その情報はiOSとAndroidの専用アプリで確認できます。

YONOには3つのサイズがあり、しっかり耳に装着できるため落ちる心配もないとのこと。耳栓をする感覚で装着するだけで、午前2時〜6時のあいだに起こると言われる本来の「基礎体温」を測ることができます。目覚めた時の体温が基礎体温だと言われているのは、あくまで真夜中に体温を測ることが現実的ではなかったため。

ウェアラブル型の基礎体温計には、YONOの他にも「Tempdrop」や「DuoFertility」があります。ちなみに、イスラエル発のTempdropについては、現在CEOに取材中なので別途記事にしてお届けします。YONOが、耳栓型であるのに対して、他の2つは脇下にセンサーをつけて測る仕組み。この違いに関して、Vanessaさんはこう説明します。

「脇下で測ろうとすると、2つの理由から必ずしも正確ではない恐れがあります。一つは、ユーザーは必ずしも脇を閉じた状態で寝ないかもしれないこと。そのため、体温を測る際に室温に影響されてしまう可能性があるからです。二つ目は、そもそも腕や脇にモノをつけること自体、固定されてしまうし、かさばると思うからです」

YONOを開発する上での最大の課題は、この形状を実現することでした。縦に20.7mm、横に13.4mmという極小デバイスに、全てを搭載しなければいけない。シリコンバレーというテクノロジーのメッカにいたからこそ、優秀なメンバーと巡り会い、エンジニアリングリソースの大部分を費やして何とかクリアすることに成功しました。

自らの妊娠体験をもとに構想

耳栓型の基礎体温計「YONO」

VanessaさんがYONOの開発を決めたのは、数年前、ご自身が妊娠しようとした際に多くのフラストレーションを感じたから。産婦人科の先生には、毎日基礎体温を測るようにと指示されたものの、それ自体すごく困難だったと振り返ります。そして昨年、スタンフォードで起業家に向けた講義を受けている際に、最新のウェアラブル技術について学び、まだニーズが満たされていないこの課題の解決にチャレンジすることを決めました。

YONOのKickstarterプロジェクトの支援者を見てみると、子どもを授かることを願う夫婦が世界中にいることがわかります。

「現時点では、ほとんどの予約注文はアメリカから来ていますが、シンガポール、中国、サウジアラビア、イギリス、ドイツ、オーストラリア、カナダなど世界各国からも予約があって、想像以上の反響に私たちも驚いています」

超アーリーバードとしてYONOを予約注文すると、その価格は99ドル。Kickstarterのページには、「あなたが妊娠できれば、自分のYONOをお友達などに受け渡すことも可能」とあります。YONOを使ってめでたく懐妊したストーリーを開発チームに共有することで、登録者を友人の名前に変更し、新しい耳栓の部位を送ってくれるとのこと。

妊娠を希望する女性やその家族の生活をYONOがどんな風に変えてくれるのか。こちらのサービス紹介動画をぜひご覧ください。

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