スマホでデザインするだけ、大変な製作は自社工房が担うアクセサリーのモノづくりマーケット「monomy」

Yukari Mitsuhashi by Yukari Mitsuhashi on 2015.8.26

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スマホ上で簡単に自分好みのアクセサリーを作れるモノづくりマーケット「monomy(モノミー)」。運営会社は、2011年の設立以降、インターネット事業を手掛けてきたFUN UP INC.です。8月24日にリリースされたmonomyについて、同社代表の山口絵里さんにお話をうかがいました。

1,500種以上のパーツでアクセサリーをデザイン

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アクセサリーのパーツを好きに組み合わせて、自分だけのアクセサリーをデザインできるmonomy。スワロフスキー、天然石、チャームなど、パーツは1,500種類以上にも及びます。こうしてデザインしたアクセサリーを、ユーザーはmonomy上に作成したマイページにショーケース。気に入ったデザインが見つかれば、クレジットカード情報と住所を入力することで購入することもできます。

今流行のハンドメイドマーケットプレイスとmonomyが異なるのは、ユーザーは、アクセサリーをデザインするだけでいいこと。というのも、注文が入ってからの製作や発送までの全工程を、monomyがその自社工房で行うから。1,000件の大量注文にも対応できるという自社工房では、アクセサリー作りの経験がある職人さんがひとつひとつ手作りしています。

「最近はハンドメイドマーケットがすごく伸びていて、中には月に1,000件を超える注文が入るアイテムもあるそうです。でも、入った注文に対応するのは個人の方です。寝る間を惜しんで一生懸命作っても量産には間に合わないため、売り切れや数ヶ月待ちも珍しくありません」

オーダーから商品の到着までにかかる時間は、約1週間ほど。運営側がオペレーションを持つことで、ユーザーはデザインすることだけを楽しみ、自分だけのアクセサリーブランドを持つことができる。欲しい人に、欲しい商品がちゃんと届く仕組みを実現しているのがmonomyです。

ゲームエンジンを使って、リアルな製作の感覚を再現


一見すると、女性らしく可愛らしい印象を与えるmonomyですが、それぞれの画面を見てみると至ってシンプル。あくまで主役は、ユーザーそれぞれが持つアクセサリーのブランドです。monomyというプラットフォームがそれを邪魔することがないよう、デザインやUIでもそれを意識しています。

また、オフラインのものや行為をオンラインに持ち込む時に鍵を握るのが、スマホなどの平坦な画面でリアルな感覚をいかに再現できるか。わかりやすい例が、電子書籍リーダーです。指先で、手元の書籍や雑誌をめくるような感覚をいかにオンラインで表現するのか。なかなかの難題です。

monomyのアプリを触ってみると、「手元でアクセサリーを作る」感じが上手く再現されています。重力を再現した物理演算を用いたゲームエンジンを使用することで、指先でパーツをそっと移動させたり、パーツを加えると少し左右に揺れる感じを再現。かなり時間をかけて作り込んだというだけあって、実際に手元で作っているような感覚に陥ります。

「商品を売る前に、ユーザーさんに作ることやコミュニティの楽しさを体験してもらうことが一番大切だと思っています。眠れない夜中や時間がある時に、黙々とデザインしてくださる方もいらっしゃいます。思わず夢中になって手を動かしてしまうようなサービスを目指しています」

目指すのは、モノづくりプラットフォーム

Eri-Yamaguchi-founder-of-Monomy東京文化服飾専門学院に在学し、販売やバイヤー、商品開発やコマースの事業などを経験をする中で、いつかアパレルの分野で新しいことに挑戦したいと考えていた山口さん。世界一周を旅した経験もあり、2年前から韓国や台湾、香港などアジア各国を市場調査でまわったことが、monomyのインスピレーションになりました。

「日本のアクセサリー店やコマースで、自分好みのアクセサリーを見つけるのは大変です。ピアスの穴を開けていないのに、可愛いなと思った物はどれもピアスだったり、金属アレルギーなどで欲しいものが買えなかったり。まだアクセサリー専門のマーケットは存在しませんし、monomyでそんな課題解決ができたらと思っています」

monomyでは、17社のパーツ卸店と提携し、画像だけ委託することで在庫を持つリスクをなくし、受発注の仕組みを独自に作りました。こうすることで、ユーザーにかかる負担やコストをゼロにまで抑えることができる。山口さんの構想は、このモデルを日本製品の家具やカバン、メガネ、ネイル、陶芸品など、さまざまな分野で全国の生産工場と連携をして横展開していくこと。アクセサリーというのは、あくまでスタート地点です。

「企画から商品が店頭に並ぶまでに余計なコストがかかっている分野はいくつもあります。もっと可愛い名前にも出来たんですが、monomyというユニセックスは名前にしたのも、将来的には製造のあたりまえに革命を起こし、生産工場と一般消費者を繋げる新しい「ものづくりのプラットフォーム」にしたいからです」

まずは作る楽しみとコミュニティ、今後は共同購入も

フォロー・フォロワーや試着機能など、欲しいアクセサリーが見つかる工夫を予定するmonomy。プロモーション面では、FUN UPの既存事業のインフルエンサーマーケティングを活かして、読者モデルやブロガーによるブランドプロデュースなどを検討。また、人気ブランドの新作に合うアクセサリーを投稿するコンテストなど、コミュニティを盛り上げる施策を考えています。

コミュニティが確立した後は、共同購入やインセンティブの仕組みの導入も。手間や時間がかかる一点ずつのオーダーメイドでは、スケールが難しい。期間内に同じ商品が欲しい人を一定数集める共同購入なら、コストを下げながら、ユーザーに対してもよりリーズナブルにアイテムを届けることが可能になります。

「原価が安いアクセサリーは、生産数が20個増えるだけで価格が半分になることもあるんです。買い手が増えれば、その分、商品価格を30〜80%下げることもできます。将来的には、デザインを投稿したユーザーさんにインセンティブを与えるようなことも考えています」

リリース時点のmonomyは、あくまでMVP (Minimal Viable Product)だと話す山口さん。まずは、「アクセサリーを楽しみながらデザインし、それが評価される」というユーザー体験を作ることに注力し、ユーザーの反応やフィードバックを見ながら次の一手を見定めていくとのこと。

デザインしたものを実際に作って注文した人に届けるとなると、そこまで出来る、またやりたいと思う人は限られてしまう。monomyの「デザインするだけ」モデルなら、その門戸がぐんと広がるはず。monomyにハマる女性がどれだけ登場するのか、リリース後の反響が楽しみです。

Yukari Mitsuhashi

Yukari Mitsuhashi

三橋ゆか里。東京在住のTechライター。フリーランスになる前は、日本のスタートアップ数社にて勤務。彼女のブログ「Techdoll.jp」は、海外のスタートアップを日本市場に紹介している。映画「ソーシャル・ネットワーク」の日本語字幕と吹替を監修。Twitter アカウント @yukari77

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