Antenna発案者の町野健氏や建築家の鄭秀和氏ら秀逸メンバーが集結、ネットとつながる高品質家具ブランド「KAMARQ(カマルク)」を立ち上げへ

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2015.8.6

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有名な顔ぶれが3人ならんだ。ニュース・キュレーションの走りとも言える Antenna(アンテナ)を発案した町野健氏、目黒通りのリノベーション・プロジェクト「CLASKA」やデザイン家電ブランドの amadana で知られる建築家でデザイナーの鄭秀和氏、サイバーエージェント・ベンチャーズの取締役を務める近藤裕文氏だ。異色の取り合わせとも言える3人が手がけるのは何だろう?

その答えは家具だ。この3人に加え、インドネシアに工場を持ち、建具製造で圧倒的なシェアを持つ PT. Matsuzawa Perita Funiture Indonesia(以下、PT. Matsuzawa と略す)の和田直希氏が加わる形で、新たな家具ブランド「KAMARQ(カマルク)」が立ち上がろうとしている。KAMARQ とはインドネシア語で「私の部屋」を意味する。端的にインターネットで家具を売ろうというのではなく、まさに部屋を作るがことく、新しい価値提案をしていくのが狙いなのだという。

今、なぜ家具なのか?

KAMARQ のビジネス運営面で中核を担う町野氏は、家具に注目した理由を次のように語ってくれた。

自分も40になり、次に何をしようかと考えたときに、世界に通用するブランドづくりをしたいと思った。

しかし、それは IT 単体だと難しいかもしれない。GoPro などの例のように、ものづくり × IT であれば、可能性は一気に広がるのではないだろうか。

インドネシアに7年以上にわたって住み、家具製造を従事してきた和田さんに出会って、家具にフォーカスしようと考えた。家具+αでビジネスモデルを作っていこうと。

3D プリンターやデザインのクラウドソーシングにより、洋服やアクセサリーの世界では自由度はかなり高まった。しかし、家具の世界には、それほどまでの自由度はまだない。デザインのいい家具は高価で、いいデザインの家具が見つけても色が選べないこともしばしば。サイズの自由度も限られるため、欲しい家具が部屋に入らないため、住む場所を変えるなんて話もまんざら冗談でもない。

第一段階として KAMARQ が考えるのは、インターネットを通じた家具デザインの公募とボーティング・プラットフォームだ。語弊を恐れずに言えば、デザイン本位で選ぶ家具の〝クラウドファンディング・サイト〟。一定数以上の投票が得られた家具については、KAMARQ のサイト上で販売を受け付け、デザインの考案者と商品の売上をレベニューシェアする。当初は購入者が色やサイズを選べる機能を付与し、最終的には完全オーダーメイドも受け付けられるしくみに仕上げる。ファストインテリアを扱うチェーン量販店と同じくらいの価格で販売することが目標だ。

第二段階としては、家具とITとの融合。薄い振動素子からなるスピーカーをテーブルに埋め込むなどして、それ自体が音を奏でるような家具商品を開発する。音源との接続や音量調整は KAMARQ の独自スマートフォンアプリを経由して行え、家具とは Bluetooth で接続。テーブル以外にも、ベットやチェストなど応用範囲は無限大と言える。KAMARQ はこの〝IoT家具〟を通じてアプリが普及することを目論んでおり、そこから先に新たなビジネスプランを構想しているようだったが、詳細は聞くことができなかった。

さらに第三段階としては、ドアにインターネットとつながるさまざまなセンサーを組み込んだ〝スマートドア〟の開発。前出の和田氏が経営する PT. Matsuzawa は、インドネシアのドア建具業界ではトップシェアを誇っており、日本のみならず、東南アジアでのスマートドア販売にも大きな可能性を見出すことができる。

家具づくりから、空間づくりへ。

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世界的にも、日本のクリエイティビティはいいよね、という理解がある。私自身、フィクスチャー、壁面家具、インフラ家電などをやってきたのだが、(一つ一つのプロダクトのみならず)有形なものや無形なもの、すべてが合わさることで、ユーザエクスペリエンスを提案できると思う。

KAMARQ で提供する家具はサイズが選べるので、ジャカルタでも東京でも、新たなまちづくりの観点での住まいのリノベーション需要にも適している。テクノロジーを追求するのではなく、優れたエクスベリエンスを提供していきたい。(鄭氏)

KAMARQ では集客やブランディングを兼ねた、オウンドメディアとEコマースのストアフロントが融合したようなサイトを開発中だ。ここには Antenna で名を馳せた、キュレーション・メディアのプロフェッショナルとしての町野氏のノウハウが生かされることになる。インドネシアの自前の工場で製造、大きなマーケティングコストをかけず、自社サイトで直販の形をとるため、かなり高品質の家具商品が低価格で仕上がることになる。

スマート家具化する部分は、実は、このコスト圧縮の部分で吸収できてしまうんじゃないかと思っている。(町野氏)

テクノロジー・ギークは別として、一般消費者にスマート家具の需要がどの程度あるかは疑問だが、デザインのよい高品質の家具が低価格で購入できるなら、たまたま注文した家具がスマート化されていても消費者にとっては不都合はない。

当初は色やサイズのみが選べるイージーオーダーですが、最終的には最小ロットの制約も無い、完全オーダーメイドで家具を受注できるようにする。家具の BTO (build-to-order) ですね。受注から発送までのステイタスも、Dell のパソコンの発注と同じでウェブで確認できるようにする。商品が届くまでに少し時間はかかるが、消費者もいろんな要素を完全に選べるのであれば、1ヶ月なら待ってくれるように思う。(町野氏)

数々の人気のある建築物やプロダクトを世に輩出してきた鄭氏の参画も、KAMARQ にどのような結果をもたらすかが非常に楽しみだ。

家具も元来、ブランド間の非対称性が高い分野。自分が気に入って、誰かにプレゼントしたり、自慢したりしたくなるような価格帯を目指したい。

(KAMARQ の家具を導入する)物件毎、空間毎にテイストを変えられるという点においても、パターンは無限大に作り出すことができる。日本のデザイナーの世界進出を支援するという点でも、ブランドを開発することには大きな意義があると思う。(鄭氏)

KAMARQ が正式にローンチするのは今年10月の予定だ。果たして、IKEA やニトリに代表されるファスト・インテリア業界をディスラプトするようなプレイヤーになり得るだろうか? KAMARQ のビジネスプランの全貌は、明日開催される RISING EXPO 2015 in Japan でのピッチで明らかになるだろう。

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