飲食店向け鮮魚仕入れアプリ「SAKAMA(さかま)」が公開、サムライインキュベートから資金調達

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東京を拠点とするスタートアップ SAKAMA は今週、飲食店と鮮魚流通販売業者をつなぐアプリ「SAKAMA(さかま)」の iOS 版をリリースし、サムライインキュベートから資金調達したことを発表した。具体的な調達金額は明らかにされていない。

SAKAMA は魚を扱う飲食店と鮮魚仲卸、魚屋、産地市場を結ぶコミュニケーション・プラットフォームで、魚のオーダーを電話や FAX ではなくスマートデバイスで済ませることができる。同社はこのアプリを通じて海産物のマーケットプレイスを形成し、鮮魚の流通を加速させる。

SAKAMA のビジネスモデルについて、共同創業者で代表取締役の柴田壮潤(そうじゅん)氏に聞いてみた。

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SAKAMA 代表取締役 柴田壮潤氏

魚屋は、一人当たりの担当出来る飲食店を増やせるので、売上を上げることが出来る。飲食店は、仕入れにかかっていた時間が削減されて、日々の業務が楽になる。この2つををフックに、SAKAMAのユーザを獲得します。

そして、SAKAMAを既存の取引先との仕入れツールとして使ってもらいつつ、飲食店が、新しい魚屋から魚を購入出来るようなマッチング機能を追加します。飲食店に新しい魚の調達チャネルを提供し、そこで手数料を頂くというのがマネタイズポイントとなります。

飲食店、魚屋ともに、SAKAMAを使えば、既存の取引先との仕入れも、新規の取引先との仕入れも、一つのアプリで完結させることが出来ます。

鮮魚流通をオンライン化するスタートアップとしては、八面六臂やフーディソンの名前が思いつくが、両者は飲食店と鮮魚仲卸の間に介在するの対し、SAKAMA はあくまでコミュニケーション・プラットフォームとして機能し、飲食店と鮮魚仲卸を直接結ぶ形をとるので、それまでの取引商流に影響を与えない。SAKAMA にとっては、売り方と買い方の間の利ザヤではなく、鮮魚仲卸に対する新たな取引先の紹介手数料が収入源となるわけだ。

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今週リリースされた iOS アプリには未実装だが、柴田氏が語っていた鮮魚仲卸と飲食店を結ぶマッチング機能に SAKAMA のビジネスの肝があるようで、この機能の早期リリースを楽しみにしたいところだ。今のところは、飲食店がスマートデバイスに SAKAMA をインストールしても、デフォルト状態では取引可能な魚屋や鮮魚仲卸は登録されておらず、既にSAKAMAをインストールしている取引先の電話番号がアドレス帳に保存されていれば、自動的に取引先として追加される。マッチング機能が実装されれば、常に鮮魚の取引が出来る「魚やSAKAMA」という魚屋が追加されるようになる。

代表取締役の柴田氏は、これまでにパーク24での新規事業立ち上げやアドウェイズの広告営業に従事。30歳になったのを機に、出身地でもある岐阜県の iOS/Android エンジニア育成事業「A.i.camp2」に参加し、フリーランスのエンジニアを経て、2015年2月に SAKAMA を設立した。

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