ユニコーン(10億ドル評価企業)が増えすぎ

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Tech Chart of the Day by Business Insider

<ピックアップ>Unicorns are becoming so common, maybe we should just call them ‘horses’

バブルなのかバブルじゃないのか、それは後になってわかること、というのはある国内投資家の言葉ですが、それでもOn-goingなバブル考察の論調は止まることがありません。私も国内の投資系の方々と情報交換する際、この雰囲気的なものについては聞いてますが、国内に限って言うと現在のプレーヤーはほぼ決定、3つか4つある席も埋まってるので「もうスタートアップはお腹いっぱい」という方が多い印象です。(但し経験豊富な連続起業家の案件や、ずば抜けた技術系は別腹)

確かに世界的にも席が埋まってる様子は顕著で、以前はビリオンダラークラブ(10億ドル評価企業)と呼ばれていたいわゆる「ユニコーン」の数が増えすぎちゃって、これただの馬じゃないか、という皮肉を込めたチャート記事なんかも出ていました。確かにこのレポートでは10億ドル評価の企業が113社になってますので、結構詳細な検証が必要なのは確かです。

例えばこのユニコーン筆頭、評価額500億ドル(約6兆円)のUberについては、ロイターがキャッチした最新の情報で、2015年の予約売上予測が108億4000万ドル(約1兆3000億円)、20%の手数料率から20億ドル(2400億円)の売上予測となっており、更にここから3倍成長などと計画立ててるので本当にその通りであればあまり違和感はありません。

一方でミレニアル世代の大ヒットメディアSnapchatの160億ドル(約2兆円)評価についてはどうでしょう。確かにデイリーアクティブ(デイリーです。月次ではなく日次)ユーザー1億人というのはお化けとして、売上予想は2015年で5000万ドル(約60億円)とやや控えめです。翌年にはこちらも4倍増を謳っており、利益率の差なども当然ありますが、全体ボリュームとしてちょっぴり寂しい印象があるのではないでしょうか。

こういう増え方をすると当然冬のシーズンはやってくるわけで、BIもソフトバンク代表取締役副社長、ニケシュ・アローラ氏のTweet「Time for entrepreneurs to strap down(起業家たちがつり革に掴まる時がきた)」を引用して冬が近いという論を展開しています。一方、TechCrunchのコラムではグローバルでのIPO数はまだ安定しており、クラッシュはまだしばらくこない、ということを幾つかの数字と共に論じています。まあ、温度差はあるにせよ、この案件過多の状況はもうそろそろ終焉を迎えるというのは両方共通した意見ではありそうですが。

via Business Insider



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