年内にIPOを計画中のフランス発音楽ストリーミング「Deezer」、競合 Spotifyとの違いは?

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<ピックアップ>Music streaming service Deezer plans Paris listing

Apple MusicやSpotifyなど、音楽ストリーミングサービスの競争が日に日に熱くなっているなか、フランスの音楽ストリーミングサービスの「Deezer」が年内にパリ証券取引所でのIPOを計画中であるとロイターが伝えている

一ヶ月9.9ユーロで3500万の曲が聴き放題のサービスを提供しているDeezerは、ロイターの記事によると630万人の会員を有しているという。180カ国でサービスを提供中とのことだが、特にフランスではOrangeやVodafoneなどの通信キャリアとの提携によって、フランス国内における会員数が多くを占める状況のようだ。

欧州において存在感の大きいスウェーデン発のSpotifyはまさにDeezerの競合であるが、SpotifyとDeezerの違いはどこにあるのだろう。提供しているサービス自体は似通っているものの、その戦略は異なると記事は指摘する。まず、Deezerはアジアとアフリカの新興市場に注力することによってSpotifyとの直接対決を避けてきた点。次に、Spotifyよりも広告が少なく、通信キャリアや携帯電話、ワイヤレススピーカーのメーカーとの提携によってユーザーを広げてきたという事業戦略の違いに言及している。

アナリストが予測する株式市場における同社の評価額は10億ユーロ。ロイターの記事によれば、Deezerのコストの8割が楽曲ライセンスの使用料を占めているとのことで、今後の収益はライセンス契約でいかにコストを抑えられるかどうかにかかっていると言えるかもしれない。

音楽ストリーミング業界は、まだまだ今後も大きな動きがありそうだ。

via. Reuters

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