Y Combinator卒の非営利団体「DemocracyOS」:インターネット時代の民主主義を目指して

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<ピックアップ>How Y Combinator non-profit alum DemocracyOS hopes to upgrade democracy

Y Combinatorといえば、先日の記事でもお伝えしたとおり後にユニコーンとなった8社を含め、多くのスタートアップに投資・支援してきたことで知られるが、そんなY Combinatorが支援した異色の存在の一つが「DemocracyOS」、アルゼンチン人ファウンダーが立ち上げた民主主義を支援するオープンソースシステムを開発する非営利組織だ。

先日のThe Next Webによる記事によれば「アルゼンチン政府のシステムは、私たち市民が社会で何かをやろうとするときに機能しないことが多く、どうにかしたくてスタートしました」と、政治科学を専攻していたファウンダーのPia Mancini は語っている。彼女はこのプロジェクトに込めた思いをTEDトークでも語っている。

「組織がメッセージを発する際に必要なコストは大幅に下がっているにも関わらず、今の政治システムによる市民とのやりとりの方法はいまだにお粗末なものです」というManciniは、アルゼンチンの若い仲間とともにDemocracyOSを2012年に立ち上げ、オンライン上で行動を起こし、参加者同士が議論を深め(透明性の高い状態で)、投票ができるという民主的な意思決定システムを作り上げた。そのシステムはオープンソースになっており、どの組織でも活用できるようになっており、活用する団体にはブエノスアイレス議会も含まれる。

また、そのシステムにはBitcoinの取引で使われるブロックチェーンの技術を取り入れているため、参加者の投票行動などをトラッキングでき、透明性と信用性の高さも担保している。

Y Combinatorの創立者ポール・グレアムは、2年前に非営利団体にも出資することを発表している。「狭義の意味での投資というよりも、これは慈善的な寄付である。金銭的な関心はない」といい、あくまで「実験的な試み」と当時は語っている。一方で、DemocracyOSはY Combinatorに参加したことによって「他のスタートアップ同様にプロダクトづくりに集中することができた」と振り返り、またRedditのコーファウンダーAlexis Ohanian氏がアドバイザーに加わるなど強いプロダクトを築く上での強力なサポートを得ることができたようだ。

営利・非営利の領域を超えた試みが、スタートアップコミュニティで今後増えていくのかもしれないと思わされる事例である。

via. The Next Web

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