AppleのiOS9はGoogleの検索売上をどのようにむしばんでいくか

by VentureBeat ゲストライター VentureBeat ゲストライター on 2015.9.21

iOS9

寄稿者のEmma Crowe氏はSomoのクライアント戦略のチーフであり、ここ2~3ヶ月間iOS9を検証し、一体何ができるのか徹底的に調べつつ、開発を行ってきた人物。

iOS9に広告ブロック機能を取り込むとのAppleの意思決定についていろいろ言われているが、多くの人はGoogleの従来からの広告売上に直接的な集中砲火を浴びせることを狙ったものとみている。しかしながら、新OSにはもう一つ、この検索大手企業の収益に対しさらに大きな影響を与える可能性のあるアップデートーーより強化されたSpotlightの検索機能がある。これは広告ブロック機能のような一斉射撃を狙ったものではないが、この変更はGoogleの広告売上を徐々に絞め殺していく機会となり得るものだ。

では何が変わるのか?

問題を理解するには、一歩下がって比較的ニッチな世界のApp Search Optimisation(ASO)を見てみることが重要である。これまでは、デベロッパーもマーケターもアプリのページのプロモートしかできず、検索エンジンからアプリ自体のコンテンツにアクセスする手段がなかったため、ASOは非常に限定的な戦術だった。しかし、Apple、Google、そしてBranch.ioやDeeplink.meなどの独立系や他のディープリンキングを行っているスタートアップ企業が今やインアプリコンテンツをどんどんインデックス化するようになったのである。

これらの新たなインデックスは、アプリ内のコンテンツをプロモートする新たな方法となる。これは本質的に、単にアプリの中からでも従来のウェブを利用する時と同じような検索体験を実現し、エンゲージメントやコンバージョンをより活発にすることになる。同様に、デベロッパーにとっては利用が増え、OS提供者には売上が増え、エンドユーザはより良いコンテンツへのアクセスが容易になる。

突き詰めると、本質的に人々は端末上で厳選されたウェブを作ることが可能となるのである。

欲しいアプリやサービスを単にダウンロードするだけで、その中から検索すればあらかじめ精選してまとめられた「コンテンツ集」ができてしまうのだ。これは既に地殻変動的な変化であり、Googleの頼みの綱(の検索)からの船出が始まることになる。

Appleは何をしているのか?

iOS9でわかったことから、Appleは今やアプリのコンテンツをインデックス化しており、極めて重要なことに、ユーザにGoogleやBing上で検索結果が表示される前に、その結果をSpotlightやSiriで検索された時に提供しているのである。

Appleはモバイルの個人的性質を非常にうまく検討し、個々のユーザの端末上に検索結果が蓄積される仕組みを作った。これにより端末は極めてパーソナルな仕様になるため、個人データはより安全に保管され、検索結果の適切さを確かにし、ユーザ視点ではより品質が高いことになる。

同社はローカルインデックスを、公に利用可能な検索結果を保管するパブリッククラウドインデックスと合体させることもしている。

極めて重要なことに、クラウドインデックスはアプリのコンテンツを送信する方法も提供しており、ユーザは端末上に特定のアプリがなくても、インアプリの検索結果の提供を受けることもできる。結果的に、ユーザが検索すると、端末上にあるアプリと端末上にはないアプリ向けの検索結果が見れることになる。これはさらに多くの人をiOSのエコシステムに引きとめ、重要なことに、Googleには人を寄せ付けないことになるだろう。

これがもしApple以外の誰かであれば、この話は一笑に付されることだろう。しかし、同社の規模はユーザをAppleのエコシステムに向ける案内標識を意味し、これは検索プロバイダにとって非常に大きな意味を持つ。クパチーノのどこかで蝶が羽ばたき、マウンテンビューで嵐を起こそうとしているようなものである。

明らかに、この市場の変化に対するGoogleの反応は遅くはない。同社はアプリ検索を改善する独自のインデックスを構築し、アプリ結果を提供するようになってしばらく経つ。例えばGoogle Nowでは出版社と協力し、Google Nowアプリ内で関連コンテンツの提供を始めている。

しかしGoogleが抱えることになる問題は、iOSユーザは何でも新しいものの飲み込みが早いというところにある。Appleの顧客は端末に配信される新しいサービスに対し生来の(ほぼ狂信的)忠誠心を見せ、同時に非常にテクノロジーに精通した購買層でもある。このことは、典型的な「ホッケースティック」のように新しいものを採用するペースをAndroidに比べて非常に急激なものにしている。より多くのユーザが新しいSpotlightで何をしたいかがわかるにつれて、モバイルからのGoogleの従来の広告売上は衰え始めることになるだろう。

この新OSに依存したモバイル検索の戦いがどのように展開していくのか興味深い。これら初期の小競り合いはAppleが早いペースで動いているのを見ることになり、すぐに勢いを得ることになるだろう。論点は直ぐに、Googleが大きく鈍重な組織を持ち直し、失地回復できるかどうかということになる。

新たな検索の世界の序列を予測するには時期尚早だが、大手企業らは戦闘態勢になりつつあり、面白い戦いが期待される。

【原文】

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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