総配信数が2億回を突破したツイキャス、今後はゲーム実況配信にも本格参入

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Twicas

スマートフォンでライブ動画のストリーミングができる「ツイキャス」が、これまでの総配信数が2億回を突破したと発表した。サービス開始の2010年7から4年後の2014年9月で1億回を突破したのが、サービスの急成長によって1年で2億回に到達している。

2015年4月にはユーザが1000万人を越え、国内におけるライブストリーミングサービスのシェアを獲得している。サービスの中心ユーザは10代や20代などの世代に利用されており、さらにライブ配信をしている「ツイキャス主」の6割以上が女性、という比率となっているという。

短期間での配信数の成長の背景には、ツイキャスの配信用や試聴用のアプリすべてをフルリニューアルし、海外展開も視野に入れたフラットデザインなどこれまで着手できていなかったUIを強化。さらに、新機能として「まわり撮り」を実装した。まわり撮りとは、これまでツイキャスではiPhoneなどスマートフォンを縦撮りで撮影しており、スマホを横に傾けて横撮りをしようとすると、ビューワーに映る画面が横向きになってしまう、という問題があった。ユーザからも横撮りがしたいとニーズがあったことから、ツイキャスでは横向きに撮影しても、ビューワーでは縦のまま映るという細かな仕様となっている。(詳細は、以下の動画で確認してもらいたい)

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他にも、通信速度制限の状況でもなめらかな動画配信ができる「なめらかなモード」や、音声圧縮の「Opus」の対応など、技術力をもとにサービスの開発を進めてきた。また、声に癒やしを求める「イケボ(イケメンボイス)」やメイクやヘアメイクの様子を配信する「メイクキャス」など、ツイキャス内で独特の文化を形成。アイドルや読者モデル、声優などさまざまな分野の人たちが、日常的に使用したりドラマの副音声的な使い方やライブのリハーサルの様子を配信するなど、多様な配信とユーザー同士によるコミュニケーションを楽しむプラットフォームとなりつつある。こうした細かな技術開発やUXの強化によって、既存ユーザのみならず新規ユーザーの獲得に成功。ユーザ1000万人を超えたいまでもユーザ獲得率は変わらないという。

以前のTHE BRIDGEでの取材でも、海外展開を視野にいれた活動に力を入れていきたい、と赤松氏は話していた。アメリカに支社を置くツイキャスだが、アメリカではPeriscopeやMeerkat、さらにはFacebookもライブストリーミングに参入するなど、競争が激しくなってくる。「海外への展開については、国内とは違ってまだまだ挑戦者」と赤松氏は話す。

北米だけでなく、アジア圏でもセルフィー棒が流行したり、通信網が次第に整備されてくるなどしており、アジア圏へのチャンスもあるかもしれない。事実、ツイキャスユーザの約2割が海外ユーザで、サービスの対応言語も英語、スペイン語、ポルトガル語、韓国語、繁体字、タイ語、インドネシア語など幅広く対応しています。

「アジア圏では台湾・韓国・フィリピンでのツイキャスユーザーも多い。しかし、現時点ではアメリカやブラジルでのユーザーがほとんどです。それぞれに国に合わせた現地の文化を取り入れたサービスを形成していきたいと考えています」(赤松氏)

さらなる成長に向けてゲーム実況配信を強化

最近では、国内外でゲーム実況への関心も高く、Youtubeがゲーム実況に参入したり、AmazonがTwitchを9億7000万ドルで買収するなど、世界のテック企業も注目しはじめている。日本でも、ニコニコ動画にてゲーム実況は一定数のファンが多く、人気の動画だ。そこに、ツイキャスも今後本格的に参入していくという。

ゲームはライブ配信と相性がよく、すでに国内外にさまざまな配信サービスが展開されている。そこで、ゲーム実況配信のサポートを強化するために10月中旬頃から本格的なサービスを展開していく。仕様は、ツイキャス側で発行するURLを外部ツールに入力することで、既存のゲーム配信とツイキャスを連携させる仕組みだという。これによって外部のゲーム配信ツールと連携させ、ツイキャスでゲーム実況を視聴したりライブ配信が始まったら通知を受けたりできるようになる。

「コアな配信者よりはその周りで少人数で配信しているライト層をターゲットに展開していこうと考えています。ツイキャスではすでにゲーム実況配信をしながらコラボ配信でコニュニケーションを取るゲームコラボ配信なども行われており、今後外部ツールに対応することで、仲間作りや相互コミュニケーションを強化していきます」(赤松氏)

すでに一定の文化を形成しているツイキャス。若年層や女性を中心としたコミュニティに対してリーチをしたいさまざまな企業やサービスにとって、連携する価値があるものといえるだろう。ゲーム実況の配信者によって、ライト層を取り込んでいくメリットがある。同時に、ツイキャスはゲーム領域への強化を通じて、国内のさまざまなコンテンツホルダーとの連携やツイキャスを通じた新たな文化形成を狙っている。

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