2度めのスタートアップは「釣り」業界の変革に挑戦ーーウミーべが釣果共有アプリ「ツリバカメラ」をリリース

by Junya Mori Junya Mori on 2015.9.1

Grow!」というサービスを覚えている読者はどれくらいいるだろうか。2012年初頭にリリースされた、コンテンツ制作者の支援プラットフォームだ。

多くの共感を集めたサービスだったが、2012年頃の段階ではビジネスを成立させることが難しく、サービスをピボット。現在、同社はオリジナルグッズの発注が可能なサービス「Canvath(キャンバス)」や、定期販売型ネットショップ作成サービス「BoxToYou(ボックスツーユー)」の運営を行っている。

当初の「コンテンツ制作者の支援プラットフォーム」の構想を描き、ピボットのタイミングで同社から離れていた男が、新たなプロダクトと共にスタートアップに戻って来た。

新たなプロダクトは釣果を共有するアプリ

ウミーべ代表取締役 カズワタベ氏
ウミーべ代表取締役 カズワタベ氏

元Grow!取締役のカズワタベ氏が代表取締役を務めるumeebe(ウミーべ)は、本日釣り人が釣果を共有するiOSアプリ「ツリバカメラ」をリリースした。

プロダクトのリリースに合わせて、ベンチャーユナイテッド、ドーガンがそれぞれ運営するファンドを引受先とする第三者割当増資を実施したことを明らかにしている。金額は非公開。

「ツリバカメラ」は釣り人向けの釣果共有カメラアプリ。釣り人が釣った魚の写真をソーシャルメディアに投稿する様子をしばしば見かけるが、同アプリでは「友だちと共有する」機能に加えて、「釣果アルバムをつくる」「釣り場を調べる」などのアクションを行うことができる。


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テクノロジーを強みに「釣り」業界に挑戦

よく釣りをする釣り好きには刺さりそうなアプリだが、なぜカズワタベ氏は「釣り」を次のチャレンジの場に選んだのだろうか。

Q. なんで「釣り」なんですか?

カズワタベ氏:「釣り」って結構競技人口がいるんですよ。日本国内だけでも約1000万人いると言われています。釣りは子どものころに一度は経験している人も多く、ユーザの掘り起こしが可能なスポーツだと考えています。釣りの楽しさを啓蒙していくことができれば、現在の競技人口よりもさらに獲得できるユーザ数は多い。そして、ユーザは多い一方で、釣り業界はテクノロジーへの対応が弱い。勝負できる領域だなと。

Q. 今は福岡を拠点にしているじゃないですか。なぜ福岡に?

カズワタベ氏:釣り人は西日本のほうが多いんです。ユーザに近いところでまずコアユーザを獲得しようと思っています。地方だとスタートアップのプレイヤーが少ないので、メディアにも取り上げてもらいやすく、PRの面でもメリットを感じています。最初の資金集めも福岡で行いました。

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Q. 最初の資金調達は福岡で実施したんですね。

カズワタベ氏:そうです。地元の金融機関からデッドで資金調達をしました。その資金でプロダクトの開発を行って、今回リリースと同時にVCから出資を受けています。現在は、社員が2名、外部のエンジニアが3名に、アルバイトが数名という体制ですが、今回の増資により開発体制を強化していきます。

Q. プロダクトをリリースして、ユーザはどう獲得していく予定ですか?

カズワタベ氏:2015年5月から「釣報」という釣りに特化したニュースサイトの運営をしています。こちらが好調でして、運営開始から4ヶ月目の2015年8月には月間65万PV、月間20万UUを達成しています。多くの釣り人に読まれるメディアとなってきていて、「釣報」と「ツリバカメラ」を密に連携させていく予定です。ユーザが「ツリバカメラ」を利用すると、TwitterやFacebook等でシェアされるため、ソーシャル経由でのユーザの増加も見込んでいます。

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Q. 今後の展開について聞かせてください。

カズワタベ氏:「ツリバカメラ」は、年内に1万MAUを目標としています。Android版も年内のリリースを予定しています。将来的には、多言語に対応していく予定で、中国語と英語には対応していきます。アプリでのマネタイズはまだ考えていませんが、近々「釣報」で広告の取り扱いを始める予定です。

世界にも競技人口が多い「釣り」というレジャー

釣りに関するアプリといえば、ユーザの釣果情報を記録するSNSアプリ「FishBrain」を運営するストックホルムのスタートアップFishBrain ABに、リクルートホールディングスが出資している

釣りは、米国だけでも約3,300万人の競技人口を誇り、2015年6月時点で「FishBrain」のユーザ数は、米国を中心に100万人を超えているとのことから、世界でも一定のニーズがある領域だとわかる。「ツリバカメラ」も世界に展開していくとしたら、釣りに特化してユーザ数を獲得できる可能性がある。

今回で二度目のスタートアップを経験しているカズワタベ氏は、「資金調達をする上で投資家とどんな話をしなくてはならないかもわかっていたし、リソースの配分も以前と比較して無駄なくできました。以前の経験を活かすことができています」と語る。

彼の二度目のスタートアップは、釣り業界にどのようなインパクトをもたらすのだろうか。

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