Y Combinatorスタートアップの成果:合計の調達額は70億米ドル、時価総額650億米ドル、ユニコーンは8社

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Above: The Y Combinator partners at the program's summer 2015 demo day Image Credit: Ken Yeung/VentureBeat
上: 2015年夏のデモデイでのY Combinatorのパートナー
Image Credit: Ken Yeung/VentureBeat

シリコンバレーを拠点とするスタートアップアクセラレータ・シードファンドのY Combinator(YC)が、再三聞かれるというこの質問に答えてくれた。関門を突破した全スタートアップの資金調達や評価はどうなっているのか、という質問だ。

2005年、Paul Graham氏、Trevor Blackwell氏、Jessica Livingston氏、Robert Morris氏によりローンチされたYCは、当初カリフォルニアとマサチューセッツの2ヶ所でプログラムを運営していた。後者は2009年に終了した。

過去10年間にわたり、YCはAirbnb、Dropbox、Reddit、Instacart、Coinbaseら940社のスタートアップに出資し、その始動を支援してきた。多くのスタートアップはメンタリングを受ける目的でYCに参加するのだが、このアクセラレータは自社株7%に対し12万米ドルの投資もしている。

2014年にY Combinator社長をPaul Graham氏から交代したSam Altman氏は、スタートアップの成長にいかに同プログラムが貢献してきたのかを検証する上で役立ついくつかの数字を公開している。けれども、彼の言うように「成功を計る指標としては、これは非常に不完全」というのは、おそらく本当だろう。

それでも、非常に興味深い内容だ。

公式データには載せられていないが、出資した940社のほぼ3分の1がすでに廃業していることが、Altman氏のTwitterで明かされている。


(訳:あぁ、重大な統計結果がもう1つ。当社が出資した約300社が休業している。)

数値を掘り下げてみてみると、YC出身企業は現在までに70億米ドルを調達しており、時価総額は650億米ドルに上る。このうち40社は1億米ドル以上の評価、8社は10億米ドル以上の評価を得て羨望の的である「ユニコーン」企業の地位にのし上がった。

940もの集団から生まれたいわゆる「ユニコーン」8社は、なかなかのものだ。これらの企業について知りたい方のため、大まかに紹介しよう。

  • Airbnb:ピアツーピア宿泊レンタルサービス。6月に15億米ドルを調達した後、時価総額250億米ドル
  • Dropbox:クラウドストレージサービス。昨年の資金調達ラウンドで2億5000万米ドルの投資を受け、時価総額100億米ドル
  • Docker:エンタープライズを主としたオープンソース「コンテナ」のスタートアップ。4月に9500万米ドルを調達評価額は10億米ドル。
  • Machine Zone:ゲーム開発会社。昨年の資金調達を受けて評価額は30億米ドルと報じられている。
  • Stripe:オンライン決済サービス。最近の資金調達を受けて評価額は50億米ドルと言われている。
  • Instacart:クラウドソーシングによる食料品配達スタートアップ。1月に高額調達し、評価額20億米ドル
  • Zenefits:ヒューマンリソース(HR)ソフトウェアスタートアップ。5月に5億米ドルというとてつもない金額を調達し、企業評価額45億米ドルを引き出した
  • Twitch:eスポーツ配信会社。昨年インターネットの最大手に買収され、現在はAmazon子会社となっている。

【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】

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