弁護士ドットコムがウェブ上で契約締結が行える「CloudSign」をリリース、リーガルテックへ本格進出

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CloudSign

法律相談のポータルサイト「弁護士ドットコム」を運営し、昨年12月に東証マザーズに上場した弁護士ドットコム(東証マザーズ:6027)。弁護士ドットコムの累計相談件数も38万件を超え、また税理士のポータルサイト「税理士ドットコム」など士業関連のビジネスを展開している。

そんな弁護士ドットコムが、本日新サービスとしてウェブ上で個人や企業間の契約が締結できる電子契約サービスの「CloudSign」(クラウドサイン)を本日リリースした。

現在、日本の商慣習において契約締結は「紙と印鑑」によって行われている。紙による契約書は、製本や押印、印紙貼付、郵送などさまざまな作業が必要で、作業による人的コストや契約締結までの時間的なコスト、さらに締結した契約書の保管や管理などがある。これらをすべて電子化することにより作業の効率化、契約締結までの時間短縮が可能となる。

方法は基本的にメールベースでやりとりを行う。契約書の送信者はメールアドレスでCloudSignにアカウントを登録し、送信したい契約書ファイル(PDF)をアップロードする。受信者のメールアドレスに入力すべき項目を指定し送信する。メールには、受信者のみが閲覧可能なユニークURLが発行され、受信者はそのURLから契約書を確認し電子署名を行ったのちに、送信者と受信者の双方に契約書が送付される。CloudSign上だけで利用する電子署名をもとに契約書にサインを行う。

契約書確認
契約書確認の様子。記入が必要な項目と最後にCloudSign上でだけ利用するサインを行う。

「海外では契約書作成や電子契約など、法律に関わる”リーガルテック”という分野ができている。市場規模も5000億円にも上り今後の成長が見込まれている市場。同分野は日本ではまだまだ世界の波に遅れをとっているなか、日本でも次第に同様の流れが来るはず。そこで今回の電子契約サービスをリリースした。法律相談だけでなく、今後は事業者に対してリーガルサービスの事業拡大を考えている」(弁護士ドットコム代表取締役元榮太一郎氏)

契約締結の契約書はサービス上で自動でアーカイブされる。契約書の検索や契約更新の期限通知、社内システム向けのAPI公開などの機能が今後実装されていくという。また、メール認証だけでなくパスワード認証、SMS認証、本人限定郵便認証なども予定。クラウドサーバーにはAWSを利用している。また、CloudSignで締結した契約書だけでなく、すでに書面で締結した契約書もCloudSignに取り込む機能も実装予定で、これによりクラウド上での更新通知や契約書検索機能も可能となるという。

料金プランは1ユーザ利用で月間30件の送信件数は無料のフリープランと、送信件数の制限がないスタンダードプランがある。スタンダードプランは月額固定費用10,000円、1件あたりの送信費用50円がかかる。フリーミアムモデルを採用し、「多くの中小企業やベンチャーに使っていただきたい」(元榮氏)と話す。

今後はクラウド契約サービスの機能拡充のみならず、契約書作成支援や契約書レビューなどのtoB向けサービスなどの事業を展開していくという。抱える弁護士のデータベースをもとに、企業のリーガルチェックの支援をもとに、上場企業や外資系企業へのアプローチも強めていく。

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