TwitterのコーファウンダーEvan Williamsが立ち上げたブログプラットフォームのMediumが新たに5700万ドルを複数のVCから調達した。今回のラウンドはAndreessen Horowitz が主導しており、前回の2500万ドルの調達ラウンドに続くものだ。今回の調達前の評価額は4億ドルであると関係者が述べていたことをRe/codeは報じている。
Medium といえば、広告のない「美しくシンプルな」プラットフォームで知られるが、気になるのは今後の収益化の方向性。Mediumのオペレーション責任者のAndy Doyle氏は「ページビューやユニークビジター、クリック数にはフォーカスしない。低クオリティの多くの広告でプラットフォームを汚すことはしない」と書いており、あくまで「ハイクオリティ」のプラットフォームを維持することでユーザー数を増やすことを目指す姿勢を見せる。Doyle氏はさらに「今回の資金調達ラウンドを通じて、Mediumがより良質なコンテンツと対話をつくる主要なパイプラインになるように目指したい」と続けている。
美しいフォーマットで「質の高いコンテンツ」が提供されるとなれば、やはり良質なコンテンツを求める読者を惹きつけることは間違いない。とはいえ、本当にMediumに投稿されるコンテンツは「良質なもの」なのか? Business Insiderの記事は、もはやMediumは企業やスタートアップの「プレスリリースの配信場所」になったと指摘する。
たとえば、このBIの記事で引用されていたのは、先日Googleが無人運転車の安全性について発表したときに、ジャーナリストのSteven Levyが編集長を務めるMedium上の「Backchannel」というコーナーでGoogleの自動運転車プログラムのディレクター自らがそのストーリーを発信していたことだ。この件に限らず、スタートアップのファウンダーによる自社の情報に関する投稿もMediumでは目立つし、もはや純粋なエッセイというよりもPRの場になっているのではないかという指摘がされている。
「良質なコンテンツづくり」を掲げるMediumだが、それに対して懐疑的な声も上がりつつある中で、今後同社が今回の資金を元にどのような成長を見せていくのか、気になるところだ。
via. Business Insider
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