シビックテックスタートアップのOpenGov、2500万ドルの資金調達とシリアルアントレプレナーのマーク・アンドリーセン氏が経営陣に参画

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日本でも次第に動きつつあるオープンデータの動き。データを誰でも利用できる状態にすることでの情報の透明性もあるが、同時に考えなければならないのはデータの活用方法だ。特に、データをもとに新たなビジネスの創出を目指すことも求められています。

公開された情報をもとにビジュアライズ化やデータマイニングを行うことでイノベーションを生み出したり、社会課題を見出すようなスタートアップも増えてきています。自治体や政府のデータをもとにビジュアライズやデータ分析を行うOpenGovもその一つ。丁寧なUXが考えられたサービスで使いやすいUIをもとに、州や市の税収の収支状況のビジュアライズしています。データ分析を通じ、自治体の経営状況の可視化や課題の洗い出しなどの支援をしています。

そんなOpenGovが2500万ドルの資金調達を実施。過去には1500万ドルの資金調達を実施しています。今回の資金調達ではVCにAndreessen HorowitzやThrive Capitalなど複数の投資家が参加しています。さらに、今回の資金調達と同時にウェブブラウザのNCSA MosaicやNetscape Navigatorを開発し、Facebookやヒューレット・パッカード社の取締役を務めたマーク・アンドリーセン氏がOpenGovの取締役として参画したことが明らかになっています。

マーク・アンドリーセン氏は、OpenGovのビジネスモデル構築やクライアントでもある自治体に対してよりメリットを提供できるためのサービス設計などを行っていくとのこと。

マーク・アンドリーセン氏はFBIやCIA、米国防省などをクライアントにもつPalantirとを引き合いに出しています。Palantirはいわばデータマイニングにスタートアップですが、複数の情報ソースから特定のパターンを見出し、バラバラの情報をつなぎあわせることを得意としており、CIAやFBIなどがもつDNAサンプルや金融取引履歴、地図情報、音声、ビデオなどさまざまなデータベースを瞬時に統合し、個人の特定を割り出すことができます。これにより、犯罪の防止などに役立てているというもの。マーク氏はそのPalantirとは違った形で自治体へのデータ分析によるサポートを行うことで、自治体だけでなく市民の生活向上や政治参加を促すことを支援していきたいと話しています。

OpenGovのようなスタートアップはシビックテックスタートアップとも呼ばれ、公共サービスの担い手や自治体など行政と連携して新しい公共の在り方を模索するビジネスやサービスを提供していく人たちです。こうしたシビックテックの分野にマーク・アンドリーセン氏のような人物が経営陣に参加することで、シビックテックを次なるイノベーションを起こす一つの分野となってきそうです。

日本でも、近年はオープンデータやシビックテックの盛り上がりがでてきているなか、いかにしてビジネスを構築するかという経営視点と、社会課題解決などのソーシャルインパクトを起こすといった2つの指標があります。これら2つを解決する新たなスタートアップが生まれてくることを期待したいところ。

via Re/code

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