すべてをオープンにすることのメリットとは?ーーBuffer、Grooveなど一部のテック企業が収益や給料を公開する理由

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 via Flickr by “A Health Blog“. Licensed under CC BY-SA 2.0.
via Flickr by “Enrique Dans“. Licensed under CC BY-SA 2.0.

<ピックアップ>Why these 9 companies choose transparency

収益、VCから調達した資金の使い道など、会社の情報を開示するテック企業が昨今注目を浴びている。有名な例としては、Buffer。「透明性ムーブメント」のパイオニアでもあるBufferは収益の開示から始まり、従業員の給料、評価額、ユーザーが支払った料金の行き先まで公開。このように、透明性(Trasnparency)を重視するテック企業は徐々に増えているようだが、彼らの真の動機はどこにあるのだろう? Crazy Egg のコーファウンダー Neil Patelは「透明性は新しいマーケティング手法」だとも発言したが、果たしてそれだけなのか。

The Next Webの記事は透明性を実行する9のテック企業を紹介するとともに、なぜ彼らが透明性を重視するようになったのかまとめており興味深い。一部紹介すると、このようなものだ。

社員や顧客とのあいだの信頼関係が深まる:Bufferは、透明性を実行することで得られる最大のメリットとして「社員と顧客との関係において、信頼のレベルが大きく増す」ことを挙げている。「自分たちが信頼できる存在であることを示すことができる。顧客にとって重要な情報を得たらすぐに情報を提供するようにしている」とコーファウンダーのJoel Gascoigne氏は述べる。

自分のことを深く理解してくれる企業とビジネスをしたい:ヘルプデスクソフトウェアを開発するGroove は、毎月の収益をサイト上で公開している。現在、同社が設定する収益の目標は毎月50万ドルであり、サイト上でその達成度を誰でも見ることができる。Grooveのファウンダーは、その行動の理由について次にように説明している。「私自身と、そして私が必要とすることを深く理解してくれる企業とビジネスをしたい。自分たちの話をよりよく伝え、より多くのことを共有したほうが、他の小さな企業もまた、私たちは彼らに似ていて、彼らが求めるものをよく理解していると思ってもらいやすい」

秘密をつくることの弊害の大きさ:オンラインマーケティングツールを開発するMozもまた、収益や支出の行き先について詳細に公開しているテック企業だ。ファウンダーは、過去のインタビューでその理由が子供時代の経験に基づいていることを語っている。「私の家族、両親は、長年お互いに秘密をつくり続けていました。(「お父さんにはこのことを話しちゃだめよ」「母さんには、ここに行ったことを言うなよ」など)。私は、こうした秘密を維持するためのストレスとプレッシャーが大嫌いだったので、すべてのこと、もっとも悪いことさえも公開することにしました。それは私にとっては、防御システムなのです。良いニュースも悪いニュースもシェアすれば、隠しておくべき恥ずかしい事実というものが生まれないので」

様々な動機から「透明性」を選択する企業。翻って考えれば、公開しない理由とはなんだろう。その理由が定かでなければ、まずは多くの情報を開示することで得られるメリットを検討してみるのも、良いかもしれない。

via. The Next Web

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