社会起業家を育てるアクセラレータ「Unreasonable Labs」が日本上陸、東京でローンチイベントを開催

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2015.10.26

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Samuel D. Goodman, Unreasonable Labs Japan Team Lead

アメリカ・コロラド州ボルダーに本拠を置くアクセラレータ Unreasonable Institute は、社会課題を解決するビジネスや起業家を育成するアクセラレーション・プログラムを展開している。Unreasonable Institute は、世界のより多くの地域に social entrepreneurship(社会起業)の輪を広げようと、5日間の超短期間圧縮プログラム「Unreasonable Labs」を提げて、世界8地域でメンタリングを行うツアーを行っている。

先週、17日〜25日にわたり同プログラムが東京に上陸、TECH LAB PAAK や Impact HUB Tokyo などを会場に、Accenture のチーフ・マーケティング・イノベータ加治慶光氏、グロービス・キャピタル・パートナーズのチーフ・ストラテジー・オフィサー高宮慎一氏、Google 元日本法人代表の村上憲郎氏、Google の次世代技術開発プロジェクト Google X の代表者である Tom Chi 氏らが、ビジネスモデルのバリデーションを中心としたメンタリングを行った。

東京でのツアー4日目となった24日、東京・代官山のデジタルガレージで Unreasonable Labs Japan のローンチイベントが開催され、パネル・セッションやメンタリングに参加した11チームによるピッチ・セッションが持たれた。イベントの冒頭には、Unreasonable Institute の 創業者でCEO の Daniel Epstein 氏が、連続起業家兼投資家で Mistletoe 代表の孫泰蔵氏とファイヤーサイドチャットを行った。

対談する Daniel Epstein 氏(右)と孫泰蔵氏
対談する Daniel Epstein 氏(右)と孫泰蔵氏

対談の中で Epstein 氏は、5日間という短期集中でプログラムを行う理由として、5日間であっても1年間であっても決して十分とは言えないが、プログラムを通じて、起業家のアイデアから生まれた火花を炎にする(spark to flame)に手助けをしたいと述べた。また、TED などの他の社会起業系の支援プログラムとの違いとして、職業創造やアイデアの共有ではなく、特に社会にインパクトを与えることにフォーカスしていることを強調した。

パネルセッションに引き続き紹介された、11チームのアイデアについても紹介しておこう。MVP の開発を目指す典型的なアクセラレーションと異なり、中には抽象的な内容のサービスも含まれるが、彼らは皆、事業を共に展開するパートナーを求めているので、読者の中で興味を持たれた方は、連絡を取ってみることをお勧めしたい。

Edaya

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フィリピンの高山地帯の先住民族にインスパイアされ、オリジナルブランド「Edaya」を創設。マイノリティ(社会的弱者)が真ん中にいるようなブランドを作り上げたい。

K2&Company

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悩みを抱えている精神疾患のあるユーザが、気軽にカウンセラーに LINE で相談できるようマッチングしてくれるサービス「K2&Company」、日本に600万人いる ADHD(注意欠陥・多動性障害)患者向けに、短期記憶の補助を助ける自動音声記録ツール「&HAND」。

Coaido

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心臓が突然止まってしまう人は1日に200人いる。その場合の生存率は10%。彼らを助けるためには AED の活用が有用だが、このようなケースで実際に AED が使われるのは 3.5% に留まっている。AED の利用率を上げるため、AED の所在地を表示し、消防関係者に急行を促すことができるアプリ「AED SOS」を開発。 → 関連記事

Manabicia

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女性が自信をつけるため、目標を設定し、女性管理職の人々にメンターをしてもらうプラットフォーム「Manabicia」。目的が達成できたら料金を支払い、その料金は発展途上国の女性たちの育成に使われる。2016年4月にサービスイン予定。

Uptree

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東京・小金井市の介護者支援 NPO である Uptree は、介護者手帳の作成を提案。現在、介護離職や介護うつが社会問題化しており、介護している人の4人に1人は介護うつになっている。これまでにも、ケアラーズ力・認証カフェなどを作って介護者同士のコミュニケーションを助けてきたが、介護者手帳を作ることで、さらなる介護者同士のコミュニケーションを促進し、介護うつの低下と介護が続けられる社会づくりを目指している。

Stela

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シングルマザーのためのサードプレイスをつくるための無料プログラミング学習アプリ。貧困問題に苦しむ母子家庭を救うため、パソコンが無くてもスマートフォンだけでプログラミングを学習してもらい、収入を改善してもらおうという心得。モチベーション維持のためのユーザ同士のコミュニケーション機能、求人機能などが備わっている。

〝スポーツ×地域共生〟プロ野球創設プロジェクト

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愛知県には在日ブラジル人が5万人、静岡県には在日ブラジル人が3万人在住。その中央に位置する浜松に地域プロ野球チームを創設し、言葉を必要としないスポーツによって、日本人とブラジル人の多文化共生を育もうというプロジェクト。→ 関連記事(THE PAGE)

防災ガール

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防災ガールは、20〜30代女性を中心とする、防災の意識が高い人々のコミュニティ。震災のときには、92% の人が安否確認できなかったと回答している。その理由は、インターネットが使えなかったり、スマートフォンの充電ができなかったりなどの理由から。校則で子供にスマートフォンを持たせられないケースもある。靴に GPS 機能の入ったセンサーを入れ、母親が子供の居場所をモニタできるサービスを作りたいとのこと。

ネイバーキッズ

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ユーザとシッターを結びつけるプラットフォームを構築。検索・比較・予約・管理ができる。マッチングが成立した際には、ネイバーキッズがシッター代金の5%の手数料を取得。

Reluff

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Reluff は、空間のイメージを即座に形にするプラットフォーム、夢の中で見たものを実際に形にするような方法を全人類にインストールすることを目指す。例えば、子供が考えたものをラピッドプロトタイピングしてみたり、社会人が考えたものをラピッドタイピングして展示してみたりする活動を展開。

Learning Journey

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保育者として乳幼児施設の運営に携わってきた立場から、子供が本物に触れたり出会ったりすることで情操教育に良い影響及ぼし、子供が他人に優しい人間に育つなどの良い影響があることを示唆。乳幼児が体験できるようなプログラムを開発している。


ピッチ終了後には、東京での Unreasonable Labs プログラム参加メンターとのダイアログの機会が設けられ、ネットワーキング・パーティーが催された。

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