中国都市部に生まれた、オンデマンドで〝ランチを育てる〟スタートアップAlesca Life(ビデオ)

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私たち都心で働く多くの者にとって、オフィスで採れたてのサラダを食べる機会はなかなかない。特に中国では、それは夢のまた夢の話だ。しかし、TechCrunch Beijing 2015 スタートアップ大会に出場したある会社が、まさにそれをやってみせようとしている。

Alesca Life の共同設立者で CEO の Young Ha 氏は農家の出身ではない。しかしテクノロジーに関する経歴と食の安全性への情熱のあまり、勤めていたDellを辞め、最新の都市型コンテナファームという形の農業スタートアップを始めるにいたった。

「食の安全保障」は、数十億人いる国民すべてに十分な食品を供給することができず、外国からの輸入品に頼らなければいけなくなるなら、私たちにとって大きな問題になるでしょう。(Ha氏)

Ha氏が抱くコンセプトは全くもってユニークであるというわけではないが、中国の人口過密な都市部における初めての取り組みであることは確かである。Alesca Lifeは船用コンテナに水耕システムを備え付けた容器を生産しており、他のいかなる方法と比べて、1平方メートル当たりより多くの農産物を育てることができる。このシステムは殺虫剤や除草剤を使用せず、ほとんどがソフトウェアにより管理されている。つまりそれぞれのコンテナは1週間につき2時間だけ手入れをすれば十分なのだ。

Alesca Lifeの手法を用いると、高品質の植物をより早く育てることができます。水耕技術と先端のソフトウェアによる管理を組み合わせることにより、水と土地の利用効率が従来の畑での栽培と比べて圧倒的に高いのです。(Ha氏)

他の水耕システムと同じく、この船用コンテナはLEDライトと栄養液を使用している。容器を層状に積み重ねることにより空間を最大限に利用するのだ。

近年、私たちは気候変動によってもたらされた干ばつや洪水、海水準上昇など、食物安定供給を脅かす問題に面しています。増え続ける人口や都市の過密な人口なども食物を取り巻く状況を悪化させています。(Ha氏)

中国の超人口過密都市の存在は、都市農業の主要な駆動力となっていると同時に、Alesca lifeは健康志向に向かっている中流階級市民の顧客も獲得している。

この手法は殺虫剤や有毒の化学物質を使う必要が無いのでより安全なのです。人工物を全く使わないのです。(Ha氏)

同社はソフトウェアを巧みに統合したことで、消費者へ直接販売が可能になった。コンセプト動画(ページ下部)を見れば、都市部の労働者がいかにして北京のせわしい都市中心部にある貨物コンテナから無農薬サラダを注文することができるのかがわかるだろう。

現在のところ、同社はホテルやレストランといった事業へコンテナの販売を行っている。開発チームは「スプラウト」自動化システムのデザインも手掛けた。この高性能な接続機器を使うことで農家の人たちはレタスやケールなどの緑色葉物野菜、さらにはトマトやキュウリ、イチゴなどの果実野菜を育てることができるのだ。直接的なライバル社は主に FreightFarms PodPonicsGrowtainers などアメリカや日本の会社である。

彼らもまた、コンテナによる栽培システムに注目しています。しかしながら私たちは、貨物コンテナ製品だけでなく、レストランや家庭へ向けた製品も取り揃えています。都市農業が人々にとってより手ごろで身近なものになることを目指しています。(Ha氏)

【via Technode】 @technodechina

【原文】

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