ゴールの瞬間を見逃した悔しさを過去のものにしてくれるスポーツモバイルテクノロジー「Vogo Sport」

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ユーザーは、アプリから好きなカメラアングルを選ぶだけ
ユーザーは、アプリから好きなカメラアングルを選ぶだけ

大好きなバンドのライブに行ったけれど、ステージの上のボーカルは豆粒ぐらいにしか見えず、結局会場に設置された巨大スクリーンを見る。ちょっと目を離した隙に、試合の命運を分けるゴールの決定的な瞬間を見逃してしまった。せっかくリアルな場に足を運んでいるのに、テレビの前で鑑賞・観戦していたほうがこうした残念がないのが現状です。でも、そんな悔しい思いも、「Vogo Sport」があれば変わるかもしれません。

2014年4月、ヨーロッパで開催された「European Judo Campionships」で初めて、その製品が導入されたVogo Sport。会場にいるユーザーが、スマホやタブレットなどを通じて見たいカメラを選択すると、カメラが撮影する映像をリアルタイムに見ることができます。あ、今のプレイ、もう一度見たいという場合は、それを好きなタイミングでリプレイすることが可能。

Vogo Sportsなら、ゴール裏からのアングルも
Vogo Sportsなら、ゴール裏からのアングルも

自分の目と、あらかじめ設置された巨大スクリーンに映し出された映像だけでなく、自由に見るものを選べるようにすることで、観客やファンとのエンゲージメントが高まります。また、Vogo Sportには広告プラットフォームとしての機能も。会場の規模にもよりますが、1日〜1週間で設置できるというVogo Sport。2014年から2015年のあいだに、Vogo Sportはテニスやサッカー、ボクシングなど15ものスポーツイベントで導入されました。

Vogo Sportを開発するのは、エンジニアリング出身者から成るフランスのチームです。創業メンバーは、Vogo Sportを立ち上げる以前はオーディオビジュアルの放送などに特化した編集ソフトウェア「Netia」を手掛け、約20年間の運営を経て通信事業者(Orange Group)に売却しました。創業メンバーは皆、スポーツ観戦好き。せっかくスタジアムに出向いても、どうしても見逃してしまう決定的瞬間があることにフラストレーションを感じ、Vogo Sportの開発に至りました。

2015年6月には、グローバル展開のために400万ユーロを調達。同時に、ライブ観戦市場の大きさから、初の海外オフィスを北米に開設しました。また今年には、多くの国際競技連盟が拠点にするスイス、またラグビーワールドカップや2020年にオリンプックの開催が予定される日本にもオフィスを構える予定。今後は、データ収集やEコマース事業などの機能や方向性も検討していくとのこと。

さまざまなライブ体験をより楽しませてくれるVogo Sport。もちろん、コーチや選手がラーニングのために使うこともできます。またユーザーは、それがスマホでもタブレットでも、自然とそのデバイスをかざす行為をすることに。この「かざす」という行為の不自然さから、なかなか広く普及するには至っていないAR(拡張現実)との相性も良さそう。日本では、どのイベントがVogo Sportを導入することになるのか。今後も注目したいと思います。

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