過度のストレスからユーザーを守るリストバンド「Sona」、先行予約がスタート

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Apple Watchから移行してしまおう。この新たに登場したスッキリした見た目のウェアラブルデバイスは、健康をどのように改善できるかをユーザーに教え、それによってユーザーは見た目を良くすることができる。

高級ヘッドフォンメーカー Caeden は本日、Sona ウェアラブルリストバンドの先行予約を開始した(編集部注:原文掲載11月17日)。男女兼用デザインのこのバンドは革とシリコン製で、市場に出ているほとんどのウェアラブルと同様に、心拍数やアクティビティをモニターし、燃焼カロリーを計算してくれる。しかし、Sona は身体的な健康にフォーカスするよりも、むしろストレスのレベルを理解し、人の自律神経を調整することを目的としている。自律神経は呼吸、心拍数、闘争逃走反応を制御する役割を持つ。Sona は心拍数の変化や心拍のタイミングの差を測定することで自律神経の調整を行う手助けとなる。

心拍数変化の値というのは、運動後にどれだけしっかり回復ができるか、また肉体が極度の疲労状態であるためトレーニングを行うのに好ましくない状態であるか、という点をスポーツ選手が判断する際に頻繁に利用されている。また、宇宙空間での宇宙飛行士の健康状態を確認する際の目安としても昔から使われてきた。

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1960年代、ロシアが宇宙飛行士を宇宙へ送り出した際、彼らの健康を効率的に測る方法はなかった。唯一彼らが地球に送ることができたのは心電図の信号、つまり心拍だった。

「そのため、科学者たちは当時活用できるもので様々な方法を試し、考えられる全ての可能性を見出し、心拍数をリサーチしてそれらから何ができるかということを考えました」と1968年にロシア人宇宙飛行士たちの様子をモニターする科学者の代表を務めていた Evgeny Vaschillo 氏の妻で医師の Brona Vaschillo 氏は言う。

Vaschillo 氏と彼のチームは、宇宙飛行士らが心拍数の波形の変動を確認できるテストを開発し、その波を安定させるようにした。彼らがこのタスクをできるようになった時に見えてきたのは、心拍数の目安を宇宙飛行士らに伝えることで彼らの健康状態の向上に繋がるということだった。また宇宙飛行士らはその目安に沿わせることができた。

心拍数をコントロールするコツは、規則正しい呼吸のように思われる。呼吸に気付いたVaschillo氏は、1970から1980年代に、平静を保つために人間の内部反射を鍛えて能力を強化する、特定の共振周波数で一定のペースで呼吸するシステムの開発に取りかかった。

彼はその研究結果を受け、戦闘機のパイロットや潜水艦の操縦士、ロシアのオリンピックレスリングチームのようなストレスが多い環境にいる人々のトレーニングを開始した。現在、彼らはこれらのテクニックをアメリカの労働力に導入する手助けをしている。Vaschillo 氏は Caeden に対し、人々が自分のストレスレベルの把握と、燃え尽き症候群になるのを避ける方法の両方を理解するのに役立つ方法として、自分の呼吸システムをアプリに組み込む方法についてアドバイスしている。

「まさにこうした状況では、呼吸瞑想が役に立つのです」と Caeden の共同設立者でCEOである Nora Levinson 氏は述べた。このアプリの特徴は、無音の瞑想はもちろんのこと15分の瞑想ガイドである。ユーザが呼吸を維持できるように、拡大・縮小する円が表示される。Sona ユーザは自分のストレスレベルを長時間記録し、この呼吸エクササイズで平静を保つ能力が養われることだろう。

Caeden の Sona バンドの価格は早期購入者の場合は129米ドルで、革製とシリコン製のバンドの両方が付属している。先行予約の受付が締め切られると価格は199米ドルになる予定だ。Sona の出荷は来年3月を予定している。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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