VCはなぜ「良い」スタートアップに投資しないのか?ーーVCに「ノー」と言われる6つの理由

by VentureBeat ゲストライター VentureBeat ゲストライター on 2015.11.2

Jonathan Friedman氏は、デジタルヘルス、商取引、企業向けソフトウェアに投資するアーリーステージファンドLionBirdの共同経営者である。彼はVenture Capital Point of Viewでブログを書いている。

 via Flickr by “A Health Blog“. Licensed under CC BY-SA 2.0.
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どのVCも、大きな市場で真の問題を解決する素晴らしい起業家を探していると言う。それではなぜ、こうした条件に見合っていそうな「良い」企業の多くは、VCから資金を調達できないのだろうか?

ベンチャー投資とは、出資額の4.5%程度がおよそ60%の総利益を生み出すという、ヒット狙いのビジネスである。これはVCのビジネスモデルが、主な利益は投資に対して10倍以上の見返りが得られる企業から得ることとし、その他の投資の多くは赤字覚悟のものであるからだ。

ほとんどの起業家はこの事実を理解している。しかし彼らにとってそれほど明確でないのは、そこそこの成功を収めた企業が破産した企業よりも好ましいと、VCが必ずしも考えているわけではないということだろう。

これが、スタートアップの成長可能性に限界があることを示す何らかのサインがある場合、投資はノーと言われる理由だ。これらを念頭に置いて、なぜVCが「優良」スタートアップへ投資をしないかのトップ理由をここに示そう。

ノーと言われる上位6つの理由

1. もろい参入障壁

多くの業界において、先発者は背中に矢を撃たれて終わることがよくある。ネットワーク効果、ブランド、特許技術、スケール化するだけの資金などを構築できない場合、成長の早い後発企業や既存企業が市場の獲得により有利なポジションに着く可能性がある。

その結果、有利なポジションにいる企業がさらに早く市場を獲得するために自分たちのスタートアップを買収してくれると考えるかもしれない。そういう場合もあるが、VCは通常こうした比較的小さなM&Aシナリオには興味はなく、そうしたM&Aを切望する起業家には興味を持っていないのが現実だ。

2. 意味のある差別化点がない

込み合った市場やマージンが小さい場合は通常、利益の大きいイグジットとなることはない。競争とは敗者が行うものであって、いかなる他社も根本的にできないことができる企業を探すこと、というのが最近のVCの新しいやり方だ。

3. サステナブルでない経営

適切なトラクション経路、そしてプロダクト/マーケットフィットを見つけることは、スタートアップの初期段階で共通に見られる大きな課題だろう。しかし
プロダクトと価格の複雑性フィット(Price/product complexity)において根本的な問題を抱えている場合、事業をスケールさせようとするにつれて、スタートアップの墓場に置いていかれるだろう。そのため、CAC/LTV比率(顧客獲得コスト/顧客生涯価値)がどうなっているのか、そしてそれを今後どのように改善できるのか、設立初期の段階で問われることに慣れておこう。

4. 爆発的な成長が見込めないニッチ市場

特定のセグメントの重要な弱点に焦点を当ててスタートするのは素晴らしいことだ。だが、そうして事業を開始して、VCから資金調達を望むのであれば、これまで築いた主軸となる競争力をもって、どのようにプロダクトをより大きな副次的なマーケットに展開させていけるかどうか、説得力のある理由を伝えてほしい。

5. お粗末なCap Table

たいていのVCは良きにつけ悪しきにつけ、ある時点で彼らのポートフォリオの中に成功を収める企業を引き当てる。そうなった場合、このように自らに問いかける。その企業が彼らのポートフォリオの収益にどれほどのインパクトをもたらしてくれるか、と。

その答えは、スタートアップが売却時にどれくらいの価値があるのか、またVCは売却時にそのどれくらいを所有しているかによる。だからより規模の大きいVCは、ターゲットに対する出資比率を断固として譲らず長期間維持し続けたり、Cap Table(編集部注:会社価値、持ち分、株式数、株式購入金額などの表の計算方法)に関わる問題、つまり過剰に株式が希薄化されたファウンダーと過度にプロラタ権利を主張する投資家の関係によって、スタートアップはより小規模VCを惹きつけるチャンスを損ねることがある。

6. 実質を伴っていない「できそうな」ファウンダー

ファウンダーの中には「何か」をもっている者もいる。彼らは熱いビジョンを持ち、そのビジョンを世間に訴える方法を熟知しており、現実化する資質を備えている。こうしたファウンダーこそ私たちは後押ししたい。

だから、あるファウンダーに夢を売られたばかりのところで、そのファウンダーが複数のスタートアップと関わり、日々のCEOの役目を他の誰かに任せていると後になって気づいたときに、いかにがっかりさせらるかは驚くに当たらない。どのスタートアップにおいてもうまくイグジットすることすら大変なのだから、完全にコミットができ、歩調を合わせられるファウンダーがいないのであれば、VCは投資に二の足を踏む可能性がある。

あなたの企業はVCモデルにフィットしているか?

VCモデルにおいて、まずまずの成功というのはほぼ倒産と同じくらいリスクを伴うものである。だから、資金調達のためにVCに売り込む場合、ネガティブな影響を過小評価してはいけない。上記に挙げた要因のどれもあなたの場合に当てはまる可能性がある。どれか一つにでもつまずけば、他の部分は優れた売り込みであっても、それを台無しにしてしまう可能性がある。

【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】

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