モバイル動画広告のFIVE、創業1年で動画再生回数2.5億回のプラットフォームへ成長

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モバイル動画広告プラットフォームを展開するFIVEは12月21日、運営するFIVE VIDEO NETWORKの月間動画再生回数が2.5億回に到達したことを公表した。同社の1年の成長をまとめたインフォグラフィックス内で伝えたもので、その他にも70以上のTVCMと連動したマーケティングキャンペーンを取り扱ったことや、オリジナルのクリエイティブを150以上制作したことなどを発表している。

<参考記事>

FIVE代表取締役の菅野圭介氏にモバイル動画広告の市場の状況を含め、ショートインタビューを実施した。(太字の質問は全て筆者。回答は全て菅野氏)

2015年のモバイル動画広告市場を振り返って具体的にどのような動きがありましたか?

まず、2015年はオンラインで流通する動画コンテンツの作り手や制作手法に多くの変化が見られたと思います。YouTuber、ゲーム実況、MixChannel のような動画コミュニティは以前から存在していましたが、こうしたユーザーボトムアップによる動画コンテンツの存在感がより増してきました。オンラインで構築した多くのオーディエンスを背景に、いわゆるインフルエンサーマーケティングも手法として定着しつつあります。

また、企業サイドでは、クラウドソーシングやオンライン動画に特化した制作会社などによって動画制作のカジュアル化も進み、企業が動画制作へチャレンジしやすい状況になりました。
さらに、 プロフェッショナルな映像コンテンツにおいても、VODやTV番組のキャッチアップ視聴など、コンテンツをマルチデバイスに届ける環境の整備が進み、ユーザーが映像コンテンツをオンラインで楽しむ習慣が当たり前になりつつあります。

海外では NOW THIS のような分散型ビデオメディアや Periscope のようなリアルタイムビデオコミュニケーションが勢いを得ていますが、国内でもこうしたアプローチが普及するか注目しています。

コンテンツという観点ではどうでしょうか?スマートフォンアプリの市場はやはりゲームがまだまだ力強い印象です。

国内のモバイルメディア環境ではますます多様性が見られるようになりました。ゲームアプリが市場の過半を占めていた数年前までのモバイルアプリ市場と比較すると、2014年のキュレーションメディアの盛り上がりを経て、2015年はモバイルネイティブな熱量の高いコミュニティやメディアが立ち上がりはじめた年だったと感じます。

メディアの新しい活用方法やコミュニティの在り方は若い世代が変化を作り出しますが、実際に弊社でのトラフィックの変化や各種調査結果を見てもまさに若年層から順番に劇的なモバイルシフトが進んでいった印象があります。来年以降は、より上の世代や様々なカテゴリメディアのモバイルシフトが更に進むのではないでしょうか。

モバイル動画広告は通信料などの懸念からどういう成長が得られるか、私も半信半疑でしたがFIVEの再生回数の伸びを見る限り順調のようです。

コンテンツ環境やメディア環境の多様化を受けて、2015年は日本の動画広告市場が 「ついに」本格的に活況を呈した年になった思います。デジタルマーケティング業界では、これまで動画広告においては デスクトップのインストリーム型のフォーマット(動画コンテンツの中に動画広告を流す形式)が市場の中心で、動画広告の配信先が限定されているという課題を抱えていました。

そこへスマートフォンデバイスの浸透・通信環境の向上といったモバイル動画広告市場が立ち上がるインフラが整ったことに加えて、facebook のモバイルフィード内動画広告のように必ずしも動画コンテンツを前提としない動画広告体験の可能性が試されたことにより、事業者の参入が相次ぎモバイル動画広告を中心に市場が大きく盛り上がりを見せました。

来年以降のモバイル動画広告は、シンプルなアドネットワークモデルを超えたテクノロジー進化の要請に加えて、「ユーザー保護」「マーケターへの透明性・信頼性の確保」といった事業者側の責任も試される年になると考えています。

ありがとうございました。また引き続き成長を追いかけさせていただきます。

以下、同社が公開したインフォグラフィックスを掲載しておく。

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