Gunosyが1000万MAU越えのゲームメディア「Game8」を子会社化、ウェブとアプリのメディア連携に取り組む

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ゲームエイト代表取締役の西尾健太郎氏
ゲームエイト代表取締役の西尾健太郎氏

また、若手起業家が次のステージへと進んだ。

Gunosy(証券コード:6047)は本日、国内有数のゲームに関するウェブメディア「Game8(ゲームエイト)」を運営するゲームエイトの株式の取得について、Labitと合意した。Gunosyはゲームエイトの全株式を取得し、100%子会社化する

ゲームエイトは、「すごい時間割」を開発していたスタートアップLabitの子会社としてスタート。「すごい時間割」の事業を譲渡した後、同社の西尾健太郎氏がメディアの運営を開始したところ、数字が成長。人を採用するタイミングになって、ゲームエイトを子会社化し、西尾氏が代表取締役に就任した。

Game8

「Game8」は会社を創業してから、約1年4ヶ月で月間1000万UUを突破するメディアへと成長している。さらに成長スピードを伸ばそうと考えた結果、今回の子会社化へと至った。

西尾氏「資金調達かM&Aで迷いましたが、M&Aを決断しました。その理由は、求めているのは資金ではなく、経営や事業の成長に必要なリソースだったからです」

そう西尾氏は語る。「Game8」はアドネットワーク等を収益源に、すでに単月黒字を達成している。だが、その一方で開発はほぼ西尾氏が一人で担当するなど、開発リソースが不足していた。

子会社化され、開発リソースを活用できるようになることで、開発スピードが向上することに加え、会社のバックオフィス体制の強化、広告商品の共同開発等を行っていく。Gunosyに蓄積されている広告に関する知見を活かしつつ、Gunosy側はゲーム関連の広告クライアントの獲得等を狙いとしている。

Gunosy執行役員マーケティング本部広告事業部部長の長島徹弥氏(左)と西尾健太郎氏(右)
Gunosy執行役員マーケティング本部広告事業部部長の長島徹弥氏(左)と西尾健太郎氏(右)

小会社化に伴い、ゲームエイトにはGunosy CEOの福島 良典氏、同社CFOの伊藤 光茂氏が経営に参画。西尾氏はゲームエイトの代表取締役として引き続きリーダーシップをとりつつ、Gunosyに入社してウェブメディア「gunosy.com」の事業統括も兼任する。

西尾氏「アプリで得られてるデータをウェブメディアにも活かしていけたらと考えています。アプリとウェブの両方で成功できているところはまだありません。今後、データを見ながら、試行錯誤していけたらと考えています。ウェブのグロースチームは統合してもいいのでは、という話も出ていて、ゲームエイトとGunosyでの時間の使い方は半々くらいになっていくと思います」

と西尾氏は語る。Gunosy執行役員マーケティング本部広告事業部部長の長島徹弥氏は、「技術的なノウハウや広告のノウハウも注入できます。単にバナーを貼るのではなく、互いのユーザにとってメリットのある施策を試していきたいと思います」とコメントした。

Gunosyは、今月はじめに韓国のモバイルコンテンツ・プラットフォーム「Pikicast」を運営するPikicast社の株式を取得している。同社は今後も、投資実行を行っていく意思を明らかにしており、「Game8」のようなMAUを持つメディアは投資対象となるという。

ゲームはコンテンツの開発だけではなく、メディアや動画配信、eスポーツといった周辺環境も盛り上がりを見せている。その中で、ゲームエイトは今後どのようにアクションしていくのだろうか。

西尾氏「ゲームは音楽やファッションといった他のエンタメ領域と比較して、社会的地位が低いと考えています。ゲームエイトでは、ゲームの社会的地位を他のエンタメと同位置にまで向上させたい。

そのためには、長い間取り組んでいかなければなりません。現状は、拡大しやすいウェブメディアを運営していますが、将来的にはウェブのメディアの運営以外にも取り組む可能性はありますし、そのためのチームを作っています。ビジョンに向けて変化していけるようにしたいですね」

淡々とメディアを成長させてきた西尾氏。彼が次なるステージへと進んで、どんな成果を見せてくれるのか、楽しみだ。

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