医療スタートアップのメドレー社が2.3億円の第三者割当増資を実施、日経BPが運営する「日経メディカルOnline」との連携強化も

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左から3番目、代表取締役社長の瀧口浩平氏、右端、代表取締役医師の豊田剛一郎氏
左から3番目、代表取締役社長の瀧口浩平氏、右端、代表取締役医師の豊田剛一郎氏

医療スタートアップのメドレー社は12月25日、日経BP及び既存株主であるEast Venturesや個人投資家である本田謙氏(フリークアウトCEO)らを引受先とした、総額2.3億円の第三者割当増資を行ったと発表した。

メドレー社は、医療業界の求人サイト「ジョブメドレー」やオンラインの疾患別医療情報提供サービス「MEDLEY」を展開している。今回の増資にあわせて、日経BPと資本業務提携を行い、日経BP社が運営する医師・医療従事者のための総合医療サイト「日経メディカルOnline」とジョブメドレーの連携を強化。互いの強みを活かし、13万人の医師を含む51万人の日経メディカルOnline会員に対して新サービスの企画開発を共同で行っていくという。

「医療従事者向けのネットメディアの日経メディカルOnlineと、弊社の強みであるエンジニアと医師、医療従事者が一体となってネットサービスを提供しているという、互いの強みを活かして事業を成長できるのではと考えている」(メドレー社代表取締役社長、代表取締役社長の瀧口浩平氏)

今回の資金調達では、本提携による新サービスの開発や運営資金として利用される。内容はまだ明かされていないが、医療従事者向けの新しいものを作ろうとしているという。

JobMedley
ジョブメドレー

すでに運営しているジョブメドレーは堅実にサービスを成長させており、メドレー社の売上の基盤を築いている。現在では全国47055件の求人情報が掲載されている。瀧口氏いわく「すべての医療介護求人を直接取引で掲載する目標の進捗でいうと、やっと10%程度だ」と話す。

オンライン病気事典MEDLEYは、これまでにも「インフルエンザ対策特設ページ」を開設したり疾患や治療法に対応した医療機関が探せる病院検索サービスを実装したりと、サービスの拡充を図っている。こうした取り組みは、既存の医療関係のデータベースがこれまで一般向けに公開されたり利用されやすかったりしていないという状況を変えたい思いがそこにはある。

「世の中にある医療関係のデータベースは不完全なので、独自にデータを築く必要がありました。思った以上に時間はかかりましたが、疾患情報、医薬品、病院情報や関連するメタデータの収集・整理もだいたい完了した。今後は構築したデータベースをもとにユーザに価値を提供する段階だと考えている。症状から病気が検索できる機能や感染予測モデルなどをもとに、2016年からはユーザ向けに医療系ネットサービスの新しい形を模索していきたい」(瀧口氏)

2015年にかけて大型の調達を重ねてきたメドレー。ジョブメドレーという事業性の高い取り組みとオンライン病気事典MEDLEYという独自のデータベースを構築してきた一年だったと言える。来年には新サービスをもとにITを通じて医療業界にさらなる変化を起こそうと着実に準備を進めている。

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