イケてる社員から会社を探すーー学生の就活アプリ「レクミー」のアップデートが興味深い

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テクノロジー界隈でも本当によく耳にするのが「いい人いないか」という言葉だ。

大きく俯瞰すると人というのはそれ自体が経済であり、その獲得と成長でこの社会が回っていると言っても過言ではない。

だからこそそのマッチングーーつまりは仕事をする側と依頼する側の出会いというのは難しい。よい出会いに恵まれず、人生の大切な時間を無駄にしてしまう人も多い。(無駄だと認識できればそれはそれで財産なのだが)

特に難しいのが社学生から社会人になる時のタイミング、つまり就活時期でのマッチングだろう。学生の多くは否応なく就職活動というルールに則って入る先を探し、採用側は大量の原石の中から「当たり」を探そうとやっきになる。

この学生の就活分野で頭角を現しつつあるスタートアップがリーディングマークだ。

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写真:25人に拡大したリーディングマーク

就活や採用支援事業というアナログなビジネスでスタートアップし、2013年から動画での面接採用というちょっと変わったアプローチで「レクミー」というサービスを立ち上げ、現時点で5万人の学生たちが登録するプラットフォームとなった。

創業者で代表取締役の飯田悠司氏によれば、年次での売り上げも170%成長(残念ながら具体的な数字は非公開)と順調に成長を続けており、彼らが開催する学生向け就活イベントでは1000人規模を集めるまでとなっている。現在、飯田氏と一緒に働くメンバーは25人となり、オフィスも新たに移転したということだった。

そんなレクミーがアップデートをするということで話を聞いたのだが、動画に引き続きなかなか面白いアプローチだったのでご紹介したい。一言で言えば「人で人を惹きつける」採用方法だ。

人からの紹介をうまく活用した手法で有名なものにリファラル採用があるだろう。

米Jobviteや国内のWantedlyなど、ソーシャルリクルーティングなどの文言などでも説明されることもある。米Wikipediaには「Referral recruitment is the development of a recruitment strategy that is dependent on referrals by existing employees」と簡潔な説明がある。つまりは現在在籍している人材による紹介採用、というものだ。

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レクミーのアップデートはこのリファラル採用に似ているようで少しだけ違う。アップデートされた画面を見てもらったらわかるのだが、会社を説明するにあたって、そこに在籍している「人」にフォーカスを当てているのだ。

「就活生にとって入る先の企業がどういう会社なのか、事業内容は分かってもどういう仕事ができるのか、どういう人がいるのか分からないことが多く、それが課題でした。大手広告代理店や商社などの説明会には2000人というような人が集まるのですが、知名度の低いベンチャーなどにはほとんど集まらないのが現状です。自分自身の人生をどうするかという点に於いて、どういう人と働けるのかということは大切な情報になるのです」(飯田氏)。

リファラル採用は人のつながりがあって初めて採用につながる仕組みになる。そういったつながりが乏しい就活生にもオープンに情報を提供することで価値のあるマッチングをしたいというのが飯田氏の考え方だ。

企業側にはどういう学生がいるのか、それを動画などのより深い情報で提供を続け、同時に企業側にもどういう人材と一緒に働けるのかという情報を公開してもらう。結局はお互いの情報開示が効果的なマッチングにつながるというのは非常に単純ではあるのだけれど、理にかなった方法のように思える。

彼らの理想がうまくワークするのか、注視してみたい。

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