Rocket Internetが次に目指すのは、東南アジア格安ホテル業界のUber化

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ドイツのスタートアップ・アクセラレータ/インキュベータの Rocket Internet は先日、アジアに年4つのスタートアップをもたらす計画があることを明らかにしたVanidaySparklist を既にローンチしているが、今度は格安ホテルネットワークの Zenrooms である。

Zenrooms は、インドに拠点を置き潤沢な資金を持つ Oyorooms に似ていて、東南アジア低価格ホテル業界の断片化された状況を改善しようとしている。このスタートアップはベータ版として1ヶ月ほど前からスタートしており、シンガポール、タイ、インドネシアのおよそ200ホテルの1000室以上からまず運営を始める。1泊の宿泊料はおよそ8米ドルから50米ドル程度で2つ星から3つ星カテゴリーが中心だ。

共同設立者の Kiren Tanna 氏は、Zenrooms のような管理・ブランド化したマーケットプレイスの必要性が差し迫っているとTech in Asiaに語ってくれた。東南アジアでは国内や地方旅行に非常に人気があるが、納得の行く値段で清潔で綺麗なホテルを見つけるのがいまだ困難な状況にある。今のところは Agoda か Booking.com を利用するのが普通だが、ほとんどの格安ホテルはそのようなプラットフォームに存在しないか、もしくは圧倒的な数により、単に見つけにくくなっている。大手ホテルやハイエンドホテルはよく検索結果で良いランキングを得るために予算を費やしているものだが、そういったことはすなわち消費者の痛手につながっている。

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6つのアメニティ

Zenrooms が提供する価値の提案はサービスの品質、信頼性、統一性であり、Uber が UberX を通して提供するものにかなり似ている。サイト上のそれぞれのホテルは、厳格で、徹底的、そして完全な監査のもと確実に特定の基準を満たす予定だ。Tanna 氏は、リサーチの期間中に旅行者は6つのことを求めていることがわかったという。清潔な部屋、快適なベッド、室内シャワー、フラットスクリーンテレビ、エアコン、そしてWi-Fiだ。なので各ホテルは最低限でもこれらの基本サービスを提供する予定である。

私たちはこの6つのアメニティをお客様に提供します。また一切妥協するつもりはありません。これらの条件を満たさないホテルが Zenrooms に参加したいのであれば、改善されなければいけません。(Tanna 氏)

Zenrooms 内にも2つのカテゴリーがあり、Zenplus と呼ばれる少々プレミアムなホテルがある。しかしながら、上限は1泊50米ドルに制限される。

Tanna 氏は「ホテルには私たちのネットワークの一因となるインセンティブが十分あります」と説明する。独立系低価格ホテルはブランド対抗力に欠けているため、例えば Zenrooms Chinatown(シンガポール)のように、立地に基づいてリブランドしなければならなくなるだろうが、こうすることによって認知度が高まることになる。

私たちはブランド力のある格安ホテルチェーンを目指しています。それが全体のアイデアなのです。(Tanna氏)

4つのターゲット層

Tanna 氏は、Zenrooms は4種類の旅行者に人気になるという。まずは国内中流家庭の家族―子供をバリやスラバヤのような新しい場所へ短期間の旅行に連れて行きたいとする家族など。そして2番目に旅行はしたいが所得があまり高くない若いプロフェッショナルやカップル。3番目に東南アジアを行き来するビジネス旅行者。そして最後に、普段ホステルに泊まるようなヨーロッパやアメリカからのバックパッカーも呼び込むだろうと、彼は信じる。

Rocket Internetは既にパキスタン、バングラデシュ、ミャンマーそしてアフリカの一部で運営されているホテル予約サイト Jovago を所有しているが、Tanna氏はこの2社はお互いに競争関係にはないという。Zenrooms を南アジアへ拡大させる案はチームが検討しているが、もしそれが現実となった時には、この2つのサイトがそれぞれ協力し合うことになるだろう。

同社は既に毎年アジアに4つのスタートアップを持ち込む計画を先行している。計画発表は3ヶ月前だったが、その間に既に3つの企業をローンチした。Tanna 氏は以前 Foodpanda を率いており、Rocket Intrernet のスタンダードではベテランの域に入るが、4つのスタートアップは「ごく最低限」の「投資家への約束」だという。おそらくさらに多くのスタートアップが登場するということなのだろう。

私たちは東南アジアおよび南アジアの市場に積極的に進出し、機会があれば資本化する予定でいます。(Tanna 氏)

【via Tech in Asia】 @TechinAsia

【原文】

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