シンガポールのT.Wareが、移動中にマッサージしてくれるジャケット「AiraWear」を公開

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マッサージを受ける方法はいくつもあるが、スパで横たわるか、あるいはマッサージチェアに座るなど、すべて静止状態で受けなくてはならない。

出勤時、オフィス、あるいは飛行機の中など、どこでもマッサージが受けられるとしたらどうだろう。シンガポールのスタートアップ T.Ware が、振動モーターを通じてまさにそれを実現するAiraWear というジャケットをローンチする予定だ。

T.Ware の名を聞いたことがある人もいるかもしれない。同社は、バーチャルハグ(抱擁)によって自閉症の子供を落ち着かせるジャケットの開発に取り組んだ経緯を持つ。このプロジェクトは現在も継続中だが、T.Ware は同様のテクノロジーを消費者市場へと持ち込もうとしているのだ。

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T.Ware は、安定的な軽擦や圧迫が脳内でドーパミンやセロトニンを分泌させる「ディーププレッシャーセラピー」を掲げている。ドーパミンとセロトニンは、それぞれが心地よさを生み出し気分を落ち着かせる効果をもつ化学物質である。セックスとは全く異なる。

つまりこの消費者向けジャケットは、ディーププレッシャーセラピーと伝統的なマッサージを組み合わせることで心地よさをもたらし、朝の通勤時のイラつきを軽減してくれるかもしれないというわけだ。

Posture-Detection-576x1024CES でジャケットを試着し楽しませてもらった。アプリ経由で様々なマッサージから好きなものを選ぶことができ、姿勢強制機能までついている。マッサージが開始するまで1分間かかる。開始してから何かの表面に寄りかかると、背中にかかる圧力により肩もみの強度が上がる。マッサージチェアで経験するのと全く同じ感覚である。音もかなり小さいため、周囲の人を驚かせることもない。寄りかからずに立った状態で使うこともできるが、気持ち良さは劣る。

AiraWear はまだ商用化されておらず、クラウドファンディングキャンペーンは2016年2月にローンチされる予定である。249米ドルで販売されると聞いているが、数千米ドルかかるマッサージチェアを考えると手頃と言って良いだろう。

では妥協しなくてはならない点はあるのだろうか。電子装置を洗濯機に入れることができないのは明らかだが、これはつまり、洗う前に取り外す必要があるということだ。この点は少しばかり面倒である。暑くて湿度の高いシンガポールでジャケットを着るというのは?これもつらい。もう1つ確認が必要なのは耐久性だ。

だが T.Ware 製品の耐久性は疑う必要がない。同社は2011年に設立されたが、これはスタートアップ企業にしてはかなり歴史があると言える。AiraWear が売れ始めたら、これまでの長旅もその甲斐があったというものだ。

本記事の取材時の交通費は CES が負担しました。

【via Tech in Asia】 @TechinAsia

【原文】

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