「良いアイデアを持つことだけが成功の鍵ではない」——MITの起業家養成プログラム責任者Bill Aulet氏にインタビュー

ゲストライター by ゲストライター on 2016.1.25

本稿は、韓国のスタートアップ・ニュースメディア「Venture Square」に掲載されたインタビューを、同社の許諾に基づいて、日本語に翻訳し掲出するものである。

본고는 한국의 스타트 업 뉴스 미디어 “벤처스퀘어” 에 게재 된 인터뷰를 해당 사의 허락을 바탕으로 일본어로 번역 게시하는 것이다.


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MIT(マサチューセッツ工科大学)のアントレーナーシップ・プログラム責任者 Bill Aulet 氏

ここ数年の間、韓国のスタートアップシーンは著しい進歩を遂げている。世界的なベンチャーキャピタリストやアクセラレータ、そしてスタートアップが地元のスタートアップシーンに目を付けたためである。MIT(マサチューセッツ工科大学)もそうだ。

MIT で Martin Trust Center for MIT Entrepreneurship のマネージングディレクターを務め、『Disciplined Entrepreneurship(仮訳:起業の法則)』の著者である Bill Aulet 氏が、韓国のソウルで2016年3月20日から25日にかけて開催されるMIT初の国際スタートアップ集中講座「MIT Global Entrepreneurship Bootcamp」で、主席講演者および指導者を務める。

Venture Square は同氏への独占インタビューの機会を得た。以下は、韓国のスタートアップ、エコシステム、そして韓国の今後の見通しに関する同氏の見解である。

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MIT のアントレプレナープログラムは、どのようにして始まったのでしょうか?

本プログラムは、当初、MIT学長の Rafael Reif 氏のプロジェクトとして始まりました。同氏は、世界に広まった我々のMOOCs(Entrepreneurship 101と102)の、入学者数と受講出席率の水準に大いに感銘をうけ、オンライン講座から最良のものを募り、「オンライン講座」の概念を探求そして考査することを望んだのです。オンライン講座は圧倒的な反響を受けたものの、アントレプレナーシップに関する教育はやがて、同輩からチーム構築と学習を通じて行われる必要が出てきたのです。

なぜ、韓国を開催国に選んだのですか?

私が2015年10月に韓国を訪問した直後、我々は韓国を次期開催国にすることに決めました。梨花女子大学で講演した際、生徒たちが示したアントレプレナーシップに対する熱意と興味の水準に心を奪われました。それに、主に財閥や、大手のコングロマリットの力によって、その目覚ましい経済発展を遂げている韓国という国に、アントレプレナーシップの概念を紹介したかったからです。

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前回の訪問で、韓国のスタートアップシーンについてどのような印象を持ちましたか?

私は、自分が韓国のスタートアップシーンに関する専門家だとは思っていませんので、私の見解を打ち明けますが、私の考えが正しいとは限らないことをご理解ください。私が昨年10月に訪問した際、明確に感じたことは、2011年にソウル大学のキャンパスで開催されたスタートアップのイベントの時よりも、スタートアップシーンにおける力強さと活気の度合いがより高まったと感じたことです。短期間の間に、これほど劇的な変化が起きたという意味では、大変興味深くそして感激的なことでした。

どんな韓国のスタートアップや起業家をご存知ですか?

私の生徒であるHyungsoo Kim(김형수)氏は、Eone Timepieces のCEO で 腕時計の Bradley を発明した人物で、私のお気に入りの一人です。もう一人は、私の生徒で MIT Sloan 出身の Young Joon Cha(차준영)氏です。同氏は、韓国の番組、ドラマ、そしてニュースにユーザがアクセスできるウェブサイト「OnDemandKorea」を創業しました。

アントレナーシップは、教えられて身につけることができると思いますか?

もちろんです。最初は、そうだと思っていませんでしたが、今は、誰でもアントレプレナーシップを学ぶことができると確信しています。私は MIT で、毎日、毎週、毎年のように、最初にドアを通り抜けたときにはアントレプレナーシップについて全く知らなかった数多くの生徒たちが、後に起業家になるところを目にしています。

起業家が成功するために、最も重要な資質は何ですか?

図で示されているとおり、チームを構成することが最も重要なことです。スタートアップを維持させるのはチームプレーです。成功した起業家という観点でいうと、起業家には、自身の先見の明と価値観を他者と共有し、チームに不可欠な部分において互いに技術の不足を補う能力を持つ人材を生かすことのできる手腕が必要です。下記の図表は、成功するスタートアップにとって不可欠な要素を重要性ごとに、まずチーム構成、次に履行、市場そして着想の順で示しています。

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著書(Disciplined Entrepreneurship)に書かれた全24のステップをスタートアップが行う上で、最も難しいステップはどれですか?

皮肉なことに、最も難しかったステップは顧客獲得費用の査定でした。起業家たちは、特定の市場で新規顧客基盤を構築するための費用を算出するのが苦手で、たいていの場合、概算を引き下げるという間違いをしてしまいます。

創業者が失敗するのはどんな理由ですか? そして、その問題に対応するためには何をすべきなのでしょうか?

創業者らは様々な理由で失敗するため、その原因を厳密に判断するのは難しいでしょう。彼らがビジネスの最初の段階で失敗すると、次の段階への道を絶たれてしまいます。

ほとんどの創業者は、ある種のアイデアを思いついた時点で、そのアイデアがビジネスとして始めるのに十分だと考えているため、自分たちのビジネスは既に上手くいっていると思いこんでしまうのです。これが最大の課題です。他の問題点として、たいてい、創業者らは理性的に考えることができません。そうなってしまう理由は、彼らが、自分たちの製品やサービスが他者のものより優れていると考えてしまいがちになり、批評に耳を傾けようとしないからです。

自分たちの考えが、最終的には上手くいくと信じることは重要なことです。ですが、現実的になることも同様に必要なことなのです。

インタビュアー:チュ・スンホ(주승호)

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