〝Designed in Japan〟を世界に――新興国にUI/UXを売るスマホブランド「ARATAS」の挑戦

Masaru IKEDA by Masaru IKEDA on 2016.1.25

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シンガポール登記のスタートアップ Gooute(グート)は17日、ローエンド・スマートフォン向けに端末やユーザインターフェイス(UI)のデザインを提供するブランド「ARATAS」をローンチすると発表した。主にアジアの新興市場をターゲットとしており、2016年春から KAZE01、KAZE02、NAMI01、NAMI02 といったスマートフォンを発売する。

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KAZE01シリーズのデザイン

17日の記者会見で、Gooute の CEO を務める横地俊哉氏は、世界的に Android 普及が進む一方で、アプリストアを中心とするビジネスモデルでは、依然として iPhone が優勢であることを強調。一方で、ローエンドの Android 端末を生産するアジアの新興系スマートフォンメーカーが著しい成長を見せる中、このトレンドをキャッチアップすべく「ARATAS」を立ち上げたと述べた。

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ARATAS ブランドのスマホを披露する、Gooute CEO 横地俊哉氏

ファブレスメーカー、チップメーカー、デザインハウスが台頭し、誰もがスマホメーカーになれる時代。ローエンド端末を出すメーカーは年間1,000万台以上出さないと利益が出ず、価格競争だけになってしまう。

ARATAS では、ローエンドのスマホを開発するメーカーに、デザインと収益を最大化できる機会をもたらす。Device(筐体)、UI(デザイン)、NET(デバイス上に搭載された情報サービス)を提供していく。

iPhone のパッケージには、〝Designed in California〟というセンテンスが添えられている。生産拠点はどこであれ、そのプロダクトが持つコンテキストやデザインのブランディングにこだわろうという思想だ。Gooute はこの iPhone ならではの思想を Android ローエンド端末に持ち込もうとしていて、生産設備や潜在顧客層を持つスマホメーカーとタイアップし、独自の UI や UX を提案しようとしている。

イメージソングの制作を DJ KAWASAKI 氏、ミドルレンジ向けのスマートフォン KAZE01、KAZE02 の筐体デザインを KAMARQ の記事でも取り上げたアーキテクトでデザイナーの鄭秀和氏が担当するなど、ローンチ当初からイメージに重きを置いた戦略は、これまでのスタートアップのやり方には例を見ない。デジタルハリウッド出身者など、日本のクリエイターが数多く関わる ARATAS ブランドのスマホには〝Designed in Japan〟の文字が添えられる。

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LOUCUS が配信する情報のイメージ

Gooute ではスマートフォンの端末販売のみならず、端末メーカー横断でユーザにターゲティングした広告を掲示できるプラットフォーム「LOUCUS」をモバイル広告大手の inMobi と共同で展開するほか、企業が持っている独自コンテンツをローカライズして世界に配信できる「Gooume」などとあわせ、事業の収益化を図る。Gooute では年内にも5,000万台〜1億台の端末に、これらのサービスを導入していきたいとしている。

Gooute は2013年6月の設立。CEO の横地氏はこれまでに、ニフティで画像や音楽配信サービスの立ち上げたほか、モバイル向けのリッチコンテンツ配信サービス事業を行うミルモをトランスコスモスで立ち上げ、スピンオフさせている。

“summercamp"/

Masaru IKEDA

Masaru IKEDA

1973年大阪生まれ。インターネット黎明期から、シンクタンクの依頼を受けて、シリコンバレーやアジアでIT企業の調査を開始。各種システム構築、ニッポン放送のラジオ・ネット連動番組の技術アドバイザー、VCのデューデリジェンスに従事。SI、コンサルティング会社などを設立。Startup Digest(東京版)キュレータ。

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