ウェブ制作のファイル共有・管理ツール「universions」を運営するユニマルが宮崎太陽キャピタルから資金調達

Eguchi Shintaro by Eguchi Shintaro on 2016.1.6

universions

鹿児島を拠点に活動するITベンチャーのユニマルが、宮崎太陽キャピタルを引受先とする第三者割当増資を実施したと発表した。金額は非公開。

ユニマルは、ウェブクリエーターの制作現場におけるコミュニケーションの効率化、デザイナーからプログラマーまでが使えるファイル管理、共有のための「universions」を中心にウェブ開発やスマートフォンアプリの開発を行う2013年創業の企業だ。

チームでウェブサイトを制作する際にありがちな変更内容やファイル管理の煩雑さ。ファイルの上書きや誤削除といった制作現場における「あるある」。最近では、GitHubなどのgitリポジトリサービスを使ってファイルを共有してバージョンを管理する方法もあるが、ウェブ制作ではクライアントやディレクター、デザイナー、コーダー、エンジニアなどさまざまな立場の人たちが関わる。

関係者間のスキルギャップによって、ツールの使い方を説明・共有することに時間を要することもしばしばだ。また、ターミナルなどの黒い画面を使うことや日本語に対応していないUIなど利用する環境もハードルを高めている。

Dropboxでファイル共有を行われている現場も多いが、自動でローカルのディレクトリと同期する反面、不要な大容量のファイル、意図しない削除、同一ファイルの他メンバーによる上書き等も自動で同期してしまい、ミスが起きることもある。

「universionsは、gitリポジトリサービスのファイル管理の履歴管理の容易さ、Dropboxなどのファイル共有サービスの敷居の低さの両方を追求したサービス。ファイルの共有と管理をベースとし、そこにタスクやコメント、チャットなどのコラボレーション機能を乗せている。

ウェブ制作を軸としているため、デザインファイルやプロジェクト資料、ローカルのディレクトリと同期する必要がないファイル専用のファイルストレージ機能があり、PhotoshopやIllustratorのデータをuniversions上でプレビューし、コメントや履歴管理もできるのが特徴」(ユニマル今熊真也氏)

2014年7月に正式版をリリースしたuniversions。ユニマル自身が鹿児島でのIT会社であることから、同じ場所にいなくてもリアルタイムでコミュニケーションを取りながら仕事ができる、チーム内のコラボレーション機能を求めていたことも大きいという。また、プロジェクトごとにファイルが自動で同期されるテスト用ウェブサーバーも用意されており、設定や運用の手間なくウェブサイトの制作と確認がuniversions上で行える。

リリースから1年弱が経ち、universions内の作成プロジェクトは2000件を突破。また2015年4月からはデジタルハリウッドが運営するエンジニア養成講座「ジーズアカデミーTOKYO」の公式ツールに採用されている。当初はフリーランスのクリエーターの利用が多かったが、最近ではウエブ制作会社単位での利用も増え、細かなニーズに対応するためのサービス拡充を目指して今回の資金調達に踏み切った。

「ウェブ制作のフローをカバーするために、本番サーバーへのリリース機能も現在提供している。ユーザが用意しているサーバーにリリースするだけでなく、サーバーの調達から管理・運営までをuniversions上でカバーできるようにしたい。また、外部サービスとの連携強化や外部チャットサービスへの通知、外部リポジトリサービスとのデータ連携、コンバート機能など、既存プロジェクトがのuniversionsへの移行や併用がしやすい仕組みをつくっていきたい」(今熊氏)

また、JavaScriptや大量のコーディング作業、短納期のプロジェクト等にリアルタイムに対応できる人材をアサインできるクラウドソーシングのような機能の実装も検討している。ユニマル自身が地方で起業し、普段は受託などの制作をしているなかから見えてきた課題をサービスにしたuniversionsなだけに、制作現場における課題を円滑に解決するツールを自分たちが一番求めているサービスであるともいえる。

出資先の宮崎太陽キャピタルは、おもに南九州地区のベンチャーに出資をしている投資会社だ。ユニマルが掲げる「地方にいることのデメリットをなくす社会をつくる」というビジョンと、リモートワークなど遠隔でも仕事がスムーズに行えるuniversionsというサービスを応援するために今回の出資となった。

地方にいながら世界各地のクリエイティブを担おうと考える企業も多く、制作環境の快適さからあえて地方に移住したり支店を構える企業も増えてきた。そうした会社のB向けツールとして浸透させ、地方からリモートワークの新しいあり方をユニマルはつくりだそうとしている。

Eguchi Shintaro

Eguchi Shintaro

ヒト、コト、モノをつなぐ編集者。ビジネスからデザイン、法律関係など分野を横断して動いています。THE BRIDGEでは、地方の起業家の取材や、ベンチャーに関わる法案や行政の動きなどを追いかけています。

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