君の「10億ドルを生むアイディア」には1円の価値もない【寄稿】

ゲストライター by ゲストライター on 2016.1.20

Jon-Westenberg起業家、ライター、コメディアン、そしてクリエイターでもあるJon Westenbergさんによる寄稿記事です。Jonさんの活動は、ご本人のWebサイト、またTwitter(@jonwestenberg)でフォローできます。本記事は、Mediumに投稿された記事をJonさんから許可を得て翻訳したものです。元の英語記事もどうぞ。


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「FacebookやGoogle、Snapchatレベルになるかもしれないビッグなアイディアがあるんだ。10億ドルはくだらないと思う。どうすればライセンス契約をできるだろう?」

この類の質問には腹が立ってしょうがない。ああ、腹が立つ、腹が立つ。

起業家が集まるFacebookグループやミートアップでは、必ず、この類の質問が浮上する。スタートアップのことを、多少勝運が高い宝くじくらいに考えている人間が必ずこれを聞いてくる。これは、事業や何かをつくり上げることについて、彼らが完全に無知であることを証明する質問だ。

彼らにとって肝心なのは、万能な特効薬を見つけることだ。アイディアを有形化する確実な方法、そして最小限の努力で儲かる方法。そう、素晴らしいアイディアさえ思いつくことができれば、その種は誰かがお金に変えてくれる資産になる。手早く儲ける一攫千金の計画だと思っている。

残念ながら、アイディアは安い。アイディアを思いつくのはいとも簡単だ。アイディアは、誰にでも1日に何度も降ってくる。そして基本的に、そのアイディアがどれだけ優れたものであろうと、それには1円の価値もない。

で、どうにかして、そのアイディアを巨大IT企業にライセンスしたいって?僕がこれから言うことをよく聞くといい。

10億ドル企業はどれも、本質的には古いアイディアを上手く形にして市場に送り出したものでしかない。Googleは、Yahooとその他大勢の企業から盗んだ検索エンジンを持つ広告企業だ。FacebookはMySpaceで、Snapchatはタイマーつきの写真メッセージアプリ。これらのアイディアは、どれも10億ドルを生むアイディアではない。スキルや能力に長けた人たちが、そのいいコンセプトを上手く具現化したものだ。

彼らなら再び、いいアイディアを上手いコンセプトに落とし込むことができるだろう。君のアイディアは十分に優れたものかもしれない。でも、それには何の意味もないー彼らにとって、君は取るに足らない存在だからだ。君がこれらの企業に何とかして採用されたとしても、そして人生の長い時間をかけて上に登り詰めるための階段を登ったとしても、彼らが君のアイディアを気にとめるという保証は一切ない。

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それで何よりだと思う。なぜなら、アイディアをヒットに変える簡単な方法を探している君が情熱を燃やすのは、金儲けだからだ。自分が描いたアイディアを、自らプロダクトや企業として立ち上げるなんてことは君にとってはどうでもいいことだ。

もし君が、自分のアイディアに価値があると本気で考えるなら、やるべきことは一つしかない。それを自分の手でつくることだ。それがなんであれ、時間やエネルギー、努力をつぎ込んで、それを現実のものにする必要がある。他ならぬ、自分の手でだ。

君はそのことに人生の何年もの貴重な時間を捧げなければいけない。日中は仕事や本業をこなしながら、毎日それに集中しなければいけない。会社を運営する術を身につけなければいけない。そして何より、楽して金を儲けるという発想を捨てなければいけない。それは決して実現しないのだから。

その全てが終わったあと、きっと、君のアイディアは当初のそれとは異なる姿をしているだろう。長い進化と改善の道のりを乗り越えて出来上がったものは、全く違うものになっているはずだ。

で、自分のアイディアをどうすべきかって?

それは、わからない。君次第だ。諦めてもいいし、自ら取り組んでもいい。でも、それ以外の選択肢はない。君に言えることは、ビジネスで成功することは、努力を意味するということだ。あるアイディアを、人生を賭けた探求に変える起業家に共通する秘密兵器はこれに尽きる。

時間をかけ、自ら動いて努力をする決意ができている人にとって、アイディアは価値のあるものだ。そのアイディアは、炎を燃え上がらせる燃料になる。でも、努力をすることをせずにただ一攫千金を狙う残念なヤツにとって、そのビリオン・ダラー・アイディアには1円の価値もない。自分で生み出すことをしないのだから。

(翻訳:三橋ゆか里)

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