「チケット」の概念で、クラウドファンディングにわかりやすさと流通をもたらす「ENjiNE(エンジン)」

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ENjiNE_website

昨年10月にKickstarterが発表した独自データでは、2009年4月のリリース以降に集まったプレッジの総額は20億ドルで、支援者の累計は950万人を超えています。ますます盛り上がりを見せるクラウドファンディング市場には、特化型や寄付型など次々に新しいプラットフォームが登場しています。

そこに本日仲間入りした「ENjiNE(エンジン)」は、チケット購入型のクラウドファンディングプラットフォームです。

チケット型が生む新しい流通

日本国内の購入型クラウドファンディング市場は、約20億円。まだまだ、ITリテラシーが高い一部の人が使うに止まっている現状があります。より広く一般のユーザーに使ってもらうには?と考えて誕生したのが、ENjiNEです。

ENjiNEでは、掲載されたプロジェクトを支援するためにチケットを購入する仕組み。完成した物やサービスを受け取る「権利」をチケットの形にすることで、より多くの人にとってクラウドファンディングの仕組みをわかりやすくする狙いです。

また、チケット型にすることで生まれるのが、チケット自体の流通の自由化です。従来、クラウドファンディングのプロジェクト支援は、公式サイトでだけ行うことができました。チケット型なら、ECサイトでチケットを販売したり、友人の分まで複数枚一緒に購入する、知人にチケットを譲ったり贈ったりするといった新しい流通が生まれます。

チケットの二次流通は、他ならぬ、クラウドファンディング市場の拡大を意味します。ECサイトに限らず、海外市場への進出も可能になり、プロジェクトとユーザーとの接触機会を大幅に増やすことが期待できます。

厳選したプロジェクトをハンズオンで支援

ENjiNE-The-THIRD

ENjiNEに掲載するプロジェクトの審査は、その新規性・独自性・話題性・事業性・市場性などの観点から総合的に判断されます。ECサイトなどで販売されることも踏まえて、単発のものより、継続性やスケーラビリティがあるものを重視して審査が行われます。また、寄付や投げ銭感覚ではなく、ユーザーにとって「純粋な買い物」として魅力的かどうかもポイントです。

さらに、サザビーリーグのような優良プランが集まるピッチイベント等の主催者とのアライアンス、そこからの紹介制度なども進行中。こうしたパートナー企業からのリファラルも 審査に影響することがあると言います。

プロジェクトの採用が決まった後のサポートは、ハンズオンです。資金調達から成立後の実現、成功までのプロセスを一貫して支援してくれます。完成した商品を、ENjiNE内で定常的に販売したり、ENjiNEが保有するアカウントを通じて大手ECサイトでも販売することが可能だそう。将来的には、海外展開に向けた多言語化や現地でのPRなどのサポートも提供していく予定です。

将来的には紙のチケットの送付も

ENjiNEをENjiNEたらしめるものは、まさに「チケット」のコンセプト。サービス内で、いかにチケット感を出すかが肝心です。

現状は、デザイン面、ECサイトで見る「買い物かご」の概念/機能を導入、またチケット一覧画面で管理や利用・送付などができるようにするなどして、「チケット感」の演出を工夫しています。将来的には、実際に紙のチケットが手元に届くようにする予定です。

ENjiNEは、世界初のチケット購入型クラウドファンディングとして、特許も出願済み。権利をチケットという言葉に置き換えることで、幅広い人にとってクラウドファンディングをぐんとわかりやすくしてくれます。ENjiNEが、国内のクラウドファンディング市場をどれだけ盛り上げてくれるのか、見守っていきたいと思います。

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