アジア各国からスタートアップが集結ーー5社がピッチを行った「ECHELON 東京出張版」レポート #tbfes

Mayumi Ishikawa by Mayumi Ishikawa on 2016.2.19

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本誌が主催するイベント「THE BRIDGE Fes」内で、シンガポールを拠点にスタートアップ・シーンをサポートするe27の協力により、アジア太平洋地域から選りすぐりのスタートアップ5社を披露する「ECHELON 東京出張版」が開催された。

モデレーターはSlush Asia CEOのAntti Sonninen氏が務めた。そのe27共催セッション:アジア・スタートアップ・ピッチの様子をレポートしていく。

PawnHero(フィリピン)

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スピーカーは、David Margendorff氏。PawnHeroはモバイルを使った質屋サービスだ。フィリピンには18000店舗の質屋があるが、一般的な質屋は月利6%〜10%と高利で、質草も宝石などに限られ、質入れに時間もとられる。

それに対し、PawnHeroは質入れしたい商品をスマホで撮影し見積をとり宅配便でセンターに送ると商品が評価され、評価されたその日のうちに現金を手にすることができる。現在フィリピンでローンチされているが1時間あたり645ドルの取引があり、今後は中国やベトナムで展開していくそうだ。

ユーザは、ATMで現金が引き出せたり、公共料金の支払、オンラインショッピング、モバイル通話料のトップアップ、他者に送金ができたりするカードが発給される。このサービスを通して「Finansial Inclusion(貧困層に正規の金融取引ができるように改善する解決策を提供すること)」を促進していきたいと語っていた。

WOVN.io(日本)

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スピーカーは、Jeff Sandford氏。Wovn.ioは、JavaScript のコードを一行挿入するだけで、Webサイトを多言語対応できるサービスで、これまで12万ページ以上を翻訳している。

WOVN.ioでいかに簡単に多言語対応を実現できるか、デモンストレーションを通して説明していた。ユーザは、WOVNでアカウントを取得し、多言語化したいURLを入力。WovnがHTMLをフェッチして解析した上でボタン類やコンテンツのテキスト要素を一覧して並べてくれる。

Googleの機械翻訳にするかGengoの人間翻訳にするかを選ぶことができ、最大26言語以上に対応する。翻訳文は手で編集することも可能。wovnのビジョンは世界中のウェブサイトが世界中からアクセスできるようにすることだと語った。

SELLinALL(シンガポール)

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スピーカーVikraman Ilango氏。SELLinALLは、Amazon、eBay、Facebookなど、9つ以上のEコマース・プラットフォームに一括で出品し、在庫を一元管理できる、クラウドベースのマルチチャネルeコマース管理システム。

SELLinALL は、インド人エンジニアを中心とするeBayのシンガポール拠点で十年以上にわたり勤務してきたエンジニアらによって設立。今後、日本をはじめとするアジアに市場を広げていき、積極的にパートナーを見つけていきたいと語った。

BorderPass(マレーシア)

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スピーカーはFaisal Ariff氏。昨年末、AEC(ASEAN 経済共同体)が設立された。アジアの市場は益々拡大し、アジアの中での人の移動は増え、どの空港も非常に混雑している。

BorderPassは、ASEAN加盟国の人達がASEAN内の空港での入国審査を簡略化できるソリューションで、ユーザーは長い入国審査の列に並ばずに、スムーズに入国できるようになる。

BorderPassには、ユーザーのプロフィール、渡航履歴が記録され、飛行機を予約した段階で訪問先政府の入国管理当局に申請が転送される。ハイセキュアな顔認識テクノロジーを使ったシステムも導入し、渡航者の顔を判別する。

今後は、クアラルンプール、シンガポール、バンコクの空港に導入を目指し、3ヶ国、4つの空港、2つの航空会社とでパイロットプログラムを実施していきたいという。

Cropital(フィリピン)

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スピーカーは、Ruel Amparo氏。Cropitalはフィリピンの農家向けのクラウドファンディング・プラットフォーム。

とあるフィリピンの農家は、56歳、月の収入は50ドル以下、負債を抱えながら生きているが、実際に1000万のフィリピンの農家のうちの3分の2は、貧困線以下の暮らしをしているという。

そこでCropitalで、支援者や投資家は、投資したい農園や事業主を選び、投資を行う。農家はその資金をもとに設備投資をしたり、農業の生産性を高め、農作物収穫後に、得られた利益を支援者に還元する仕組み。

ビジネスモデルとしては、利益を農家が70%、支援者が20%、Cropitalが10%を分配。さらにトランザクション毎に5%の費用がかかるようになる。フィリピンの社会をよくしようとするソーシャル・インパクト投資(社会起業投資)の側面を併せ持つ。

コミュニティパートナーが実際に農家をヒアリングしてクラウドファンディングの準備をサポートしてくれるので、農家はITリテラシーが低くても大丈夫だという。

5月13日、14日にSlush Asia開催

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最後に、モデレータを務めていたSlush AsiaのAntti Sonninen氏が登壇し、今年の5月13日、14日に開催されるSlush Asiaの紹介を行った。

Slush Asiaは、アジア最大級のグローバルスタートアップイベントで、昨年4月にアジア初のSlushとして開催され、1日で3000人を超える参加者が集まった。

今年は昨年より規模を拡大して開催し、さらに5月6日から8日にかけて、スタートアップを対象とした大規模なハッカソンイベントも予定している。

“summercamp"/

Mayumi Ishikawa

Mayumi Ishikawa

株式会社ロフトワークに所属、デジタルものづくりカフェ「FabCafe」の広報と、ライター業の2つの仕事に従事。HDRフォトグラファー。主に海外のガジェットネタを得意とする。

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