SXSWで投資家たちの話題をさらう、リリースからわずか1ヶ月の音声アプリ「Anchor」

Ray Yamazaki by Ray Yamazaki on 2016.3.26

Anchor

<Pick Up> Investors  can’t stop talking about a one-month-old app called Anchor

年に1回のスタートアップのお祭りSXSW。この4日間の祭典で人々の注目を浴びた後に大成功したテック・カンパニーは過去にGroupMe、Twitter、Foursquareなど数多くあります。

このSXSWでは傾向として、ごく限られたスタートアップだけがその年の話題を独占します。例えば、去年はライブ・ストリーミング・アプリのPeriscopeとMeerkatがそうでした。そして、今年の話題を独占したのは、リリースからわずか1ヶ月のアプリ「Anchor」です。

Anchorは、フォロワーに自分のコンテンツを見せるという点では、InstagramやTwitterに類似しています。でも、写真やテキストの代わりに送るのは、2分以内の音声メモ。そして、それに対するコメントや返信も2分以内の音声メモで送られます。ちょっと「SoundCloud」に似ている気もしますが、決定的に違うのは事前に録音しておいたものを使えない点でしょう。

Anchorの共同設立者Michael Mignanoは、その誕生について次のように語りました。

「Adobeに買収されたAviaryという写真編集プラットフォームで働いていた時、後にAnchorの共同設立者になるNir Zichermanと出会いました。僕らはポッドキャストが大好きで、いつもラジオやオーディオの話で盛り上がっていたのです。そのうちに『ポッドキャストは随分利用されるようになってきているのに、なぜ音声メモを作ったり、それを周りに広めたりするのがこんなに難しいのだろう?』という話になりました」。

スマートフォンの普及が進んだ現在は、インターネットに常時接続できるマイクロフォンを誰もが持ち歩いているのと同じ。つまり、手軽に高音質で音声を送る基盤は整っています。「聞き手に発信力がないラジオやポッドキャストの時代に続く、本物の会話を生み出したかった」ともコメントしています。

Anchorのアプリで録音するのは簡単です。スマートフォンを耳のそばまで持ち上げて話すだけ。同サービスが目指すのは、「言葉を返せるラジオ」。議論が始まったり、双方向どころか様々な多方面から「生の声」が返ってくるプラットフォームのようです。

投資家たちの反応は様々です。Anchorの将来性に懐疑的な投資家たちはその理由について、「アプリで唯一使えるテキストが音声メモの説明文なら検索が難しくなる」や「自分に向けられた悪口やヘイトスピーチを直接しかも大声で聞かされることになる」と説明しています。

その一方、肯定的な投資家たちは「AnchorはInstagramやTwitterといったソーシャル・プラットフォーム・サービスの中で唯一欠けていたカテゴリーである『音声』を埋める画期的なサービスだ」と期待しています。

これだけ多くのSNSが増える中でAnchorが成功するかどうかは、経験を積んだ投資家であっても判断が難しいところでしょう。Mignanoが目指す「誰でも参加が極めて簡単なコミュニティー」を作ることができるのか。ユーザーが居心地の良さを感じ、日に何度もアクセスしたくなるようなアプリになることができるのかが課題になりそうです。

via. Business Insider

(執筆:RAY YAMAZAKI)

Ray Yamazaki

Ray Yamazaki

Editor at Medium Japan, Writer at WIRED, The Bridge,etc. テクノロジーとカルチャーの交差する辺りを書い[email protected]_yamazaki

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