IDEOの一部門で新事業創出を目的とするIDEO Futuresが、Citi VenturesやNasdaqと協力してブロックチェーンや関連技術のイノベーションを起こそうとしているようです。
IDEO Futuresのダン・エリツァーによると、ビットコインを懸念する見方は今もあるものの、その未来はもう少し有望だとのこと。
ビットコインについてはネットワークで処理できる取引量があまりに少なかったり、セキュリティーとソフトウェアの開発がごく限られた人々によってなされているという課題はあるものの、利用されてから7年の間に自由主義者やドラッグ・ディーラーのためのテクノロジーから50億ドル規模の商品へと変わったという現状があります。
今やほぼすべてのファイナンス・サービス、MITメディアラボ、英国政府までがビットコインとブロックチェーン技術の研究開発をしていますが、なぜビットコインとブロックチェーン技術が注目されるのか? それについてダン氏は「p2pのデジタル通貨やよりスムーズな決済ネットワークといった手段が、あらゆる種類の価値の保存と転送についての新しい可能性を提示してくれるため」と述べています。
ビットコインは、管理する中央銀行が存在しない「非中央化」と呼ばれる分散システム、全員でシェアされデータ消失の恐れのほとんどない帳簿、暗号技術等からなるエコシステムを特徴としていて、信用性が高く未来の人間の取引活動に重要なインパクトを与えるポテンシャルがあると信じられています。
「ブロックチェーン技術は、新たなデジタルの個人情報システムを構築するにあたって強力なツールになる」とダン氏は語ります。
日本でもMt.Goxの取引中止が報道されて以来ビットコインは一般の注目を集め、果たして単なる投機対象なのかそれとも将来の可能性のある何かなのか議論が分かれているところですが、ダン氏は「TCP/IPプロトコルと共に始まったインターネットが最終的に現在のウェブへと進化したように、ビットコインとブロックチェーンによる革新的変化は少なくとも5年から10年で訪れるだろう」と結んでいます。
via CoinDesk
(執筆: 山崎礼)
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