拡張現実(AR)のスタートアップ「Blippar」がシリーズDラウンドで5400万ドルを調達した。今回のラウンドは、マレーシア政府の戦略的投資ファンドであるKhazanah Nasional Berhadが主導している。
2011年にイギリスでローンチしたBlipparは、ARアプリを開発している。アプリを現実世界の物の上にかざすと、情報やイメージなどが追加され、ユーザーはユニークなコンテンツをスマホを通して見ることができる。これまでコンデナスト、TIME、Heinz、コカコーラ、Universal Picturesなど、数々のグローバルなブランドと提携して、AR技術を活用したマーケティングキャンペーンを打ち出してきた。
「2016年はこれまでのBlipparの歴史においてももっとも大きな年になるでしょう。事業をより広く深くするとともに、リアルな世界に真のビジュアルディスカバリーエンジンをもたらすというビジョンと共により高い場所に到達したいと思います」と共同創業者でありCEOのAmbarish Mitra氏は語る。
5年前の創業以来、Blipparはコンピュータビジョンや機械学習の専門家などトップの技術人材を獲得しながら、成長してきた。サンフランシスコとマウンテンビューのオフィスには60名近くのエンジニアがいる。
今回の資金調達によって、「トップレベルのエンジニアをさらに獲得し、グローバルな拠点をより成長させ、パートナーのブランドとはユニークなキャンペーンをつくりたい」と展望を語っている。
新たな資金調達ラウンドを、マレーシア政府の投資ファンドKhazanah Nasional Berhadが主導している点も注目に値する。現在は、14カ国のグローバルなオフィスで合計で300名以上の社員が働いているBlipparだが、今後は東南アジア地域への事業展開をより加速していく可能性が高そうだ。
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