名医検索の「クリンタル」が伊藤忠テクノロジーベンチャーズ等から資金調達、クリニック提案サイトも

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2015年5月に創業した「Clintal(クリンタル)」は、名医が見つかる名医検索サイト。首都圏を中心に130疾患にわたる1,200人の名医を網羅しています。患者は、インプラントから癌にに至るまで幅広い疾患の名医を閲覧し、受診先を探すことができます。

本日、クリンタルは、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、Draper Nexus Venture Partners II,LLC、また個人投資家から資金調達を実施したことを発表しました。今回の調達を受けて、カバーする名医の範囲を日本全国に拡大していくとのこと。名医トップ3%に当たる、日本全国5,000人の名医を掲載することを目指しています。

軽症のためのクリニックレコメンドサービス

重症の患者を名医につなげる既存の名医検索サービスに加えて、2016年夏頃に開始するのが、クリニックのレコメンドサービスです。「お腹が痛い」「腰が痛い」など、比較的軽症の患者をクリニックにつなげるもの。クリニックは、資格の保持や経験年数などクリンタル独自の基準をもとに厳選されています。

症状に応じて医師を検索
症状に応じて近隣の医師を検索

ユーザーは、その時々の症状や場所などを入力することで、システム側がユーザーのクリニックに対する好みを学習し、最適なクリニックを探し出してくれます。

新サービスでは、クリニックに口コミする機能の搭載する予定。これまで、病院や医師の評価というと、どうしても医療の質に重きが置かれがちでした。でも、病院だってサービス業です。待ち時間や受付の対応など、サービスという軸でもクリニックを評価することで、手術などに比べて質に大差を感じにくいクリニックの洗濯基準を設けることができます。

特定のクリニックで受けた医療体験全体を評価するわけですが、人によってクリニックに求めることは異なります。ある人にとっては、とにかく診察までの時間が短いことが大切で、先生の性格や応対は二の次かもしれません。こうしたユーザーごとの好みを機械学習し、その好みに最適化されたクリニックがレコメンドされます。

BtoBtoCのビジネスモデルを模索

患者から利用料金を徴収する形ではなく、BtoBtoCのビジネスモデルを模索しているクリンタル。例えば、法人・団体に対して、従業員や会員向けサービスとして、または生命保険商品や健康保険組合などへ付帯サービスとして導入してもらうようなことを検討しています。クレジットカード会社などすでに協議が進んでいる先もあり、2016年中にニーズ検証を実施する構えです。

「FiNCなど健康促進のサービスが登場したことで、予防の意識が高まっています。企業にとって、従業員の健康を守ることは先行投資です。クリンタルを使って、早い段階から適切な受診先に通うことで、入院日数や医療費の削減に繋がるはず。適切なパートナーを早期に見つけて、この削減効果の実証を進めていきます。」(代表取締役 杉田玲夢さん)

クリニックのレコメンドサービスが加われば、クリンタルは重症患者と軽傷患者問わず、すべての患者に対して最適な受診先を提案できるようになります。新サービスの口コミが機能すれば、これまで「実際に受診してみないとわからない」ブラックボックス状態だった医療体験の可視化が実現しそうです。

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