インターネット総合サービスのココン、セキュリティ診断スタートアップのイエラエセキュリティを買収

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インターネット総合サービスのココン(旧社名:Panda Graphics)は15日、セキュリティ診断スタートアップのイエラエセキュリティを買収したと発表した。買収額は明らかにされていないが、このディールはココンによるイエラエセキュリティ株式の100%取得であるため、イエラエセキュリティはココンの完全子会社となる。

イエラエセキュリティは、ソフトバンクやサイバーエージェントでセキュリティ診断チームを立ち上げた、セキュリティエンジニアの牧田誠氏が2011年に創業。Web アプリ、スマホアプリ、IoTなどの脆弱性診断を強みとし、セキュリティベンダーや大手事業会社へのセキュリティコンサルティング業務を提供している。顧客には、サイバートラスト、サミーネットワークス、サイバーエージェント、S&P、スマートロック「Akerun」のフォトシンスなどが名を連ねている。

一方、ココンは旧社名からも明らかなように、イラストクラウドソーシングの Panda Graphics を事業母体とするインターネット総合サービス企業。2013年2月の設立後、2014年7月に East Ventures とオプトから総額1.4億円、2015年5月には、中国の SIG Asia Investments(海納亜洲創投)と、同社と関係の深い日本の VC である MS キャピタルから金額非開示の出資を受けている。2014年6月にはモックス、2015年1月にはオハコと資本提携、2015年5月には音声クラウドソーシングの「Voip!」を事業譲受など、他のスタートアップとの提携や買収にも積極的だ。

イエラセキュリティは、2015年9月にココンと同じオフィスに本社を移転しており、このことから、以前からの親密な協業関係をベースに今回の買収に至ったことが推測できる。

今回の買収を受けての両社間の事業シナジーについて、ココン CEO の倉富佑也氏に尋ねたところ、ココンの事業では多くのゲーム会社と取引があり、チート対策などセキュリティサービスの需要が発生しており、それらの企業へのモバイルアプリ・セキュリティ診断など顧客企業の相互紹介を期待している、とのことだった。

スタートアップがスタートアップに出資や買収を通じて事業拡大する方法は、最近の日本ではメルカリの動き、お隣りの韓国では Yello Mobile の事例が記憶に新しい。ココンが今後どのように事業を展開を進めていくのか、気になるところだ。

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