「警察が見ている。みんな、気をつけろ」ーー中国・Sina Weibo(新浪微博)の検閲レポート

by e27 e27 on 2016.3.14

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Committee to Protect Journalists(CPJ、ジャーナリスト保護委員会)による詳細なレポートは、政府による検閲とユーザエクスペリエンスに常時取り組んでいる企業の姿を伝えている。中国のマイクロ・ブログプラットフォームWeibo(微博)では、ユーザが規則に従わない場合、センシティブなメッセージは削除され、アカウントは直ちに閉鎖されてしまう。

この事実はよく知られていることであるが、Committee to Protect Journalists(CPJ)によって公表されたこの素晴らしいレポートでは、ユーザの獲得・参加と中国政府への譲歩の間で板挟みになっているソーシャルメディアサイトの実態が明らかにされている。

Weiboは議論、ディベート、論争なしでは存在しない。しかし中国では検閲規則に違反すると深刻な結末となり得る。このレポートでは中国初のマイクロ・ブログプラットフォームFanfou(飯否)の命運について言及されている。

中国で政情不安のあった新疆ウイグル自治区に関する情報共有をユーザに認めたFanfouは、16ヶ月もの間サイトが閉鎖された。インターネット企業にとっては死の宣告に等しい。レポートのほとんどは、Southern Weekly(南方週末)という広州の新聞が関係した2013年の出来事で構成されている。

同紙で働いていたジャーナリストらは、社説が彼らが知らぬ間に別の内容(共産党寄りの宣伝)に変えられていたことに気付いた。彼らはWeiboで怒りと不満を発信したが、これが街頭での抗議活動、出版の自由を求める運動の引き金となった。

予想通り、中国の既存メディアがこの事件を報じることはなかったので、Weiboによってこの事件は瞬く間に伝えられることとなった。 とは言っても、Weiboもまた検閲指令に従わなくてはならなかった。

CPJは2011~2014年の時期について、体制に壊滅的な影響をもたらしかねないこの政治イベントに対する要求に対して、Weiboの上層部がいかに対応したかの内部漏洩機密文書を入手した。

レポートによると、Southern Weekly事件の翌日、Weibo上層部は従業員に対し、広東州情報宣伝部トップによる検閲要求への対応にきちんと当たるよう命じた。「今日すべき仕事はそれだけだ」と伝えられている。

数日後、中央情報宣伝部がさらに強く要請してきたのを受けて、Weiboは従業員に次のように命じた。

「(ここ数日と)同レベルの検閲を維持し、投稿をシェアできなくすること。共産党、政治リーダー、抗議の呼びかけといった過激な投稿は見えないようにすること。ただしやりすぎないように」。

投稿が見えなくなるというのは、投稿者のみ自分が書いたものを閲覧できるという意味で、その投稿が検閲されているかを判別するのは基本的に不可能である。しかしながらSina Weiboは1月4日、同プラットフォームでユーザの参加を促す必要があることをほのめかしつつ、従業員に対して競合のTencent(騰訊)以上には検閲しないようにも命じた。

CPJにより報告された検閲には他にも、食品ベンダーと当局の間で起きた衝突事件での微妙な情報操作などもあった(政府や警察を擁護するコメントはそのまま残されたのに対し、死亡した可能性のある妊婦の話は検閲の対象となった)。

警官と人質が犠牲となった新疆ウイグル自治区で起きた武力衝突のケースでみられた完全な報道統制についても書かれていた。

新疆の件について、CPJは以下の通達があったことを伝えている。

「少数民族政策や警察に関するあらゆるナンセンスな情報や投稿は断固として検閲すること!(公式)ニュースの再投稿であれば問題はない。これは今日の一大事だ。警察が見ている。みんな、気をつけろ」。

ここ数年、中国による報道の自由への取り組みはかなり後退している。人権活動をしている弁護士やジャーナリストの逮捕が急増し、2月には、中国メディアは共産党を支持しなくてはならないと習金平国家主席が述べている。

このレポートは素晴らしい内容であるが、昨年あたりからの情報は含まれていない。メディアの検閲が抑圧的になりつつあった時期だ。制約が一層きつくなっているように思われる中国にWeiboは今後どのように向き合っていくのだろうか?

そしてこのレポートは、衝撃的すぎてこの場ではシェアすることができない小話で締めくくられている。

Southern Weeklyの検閲事件に抗議した3人(Guo Feixiong=郭飛雄氏、Liu Yuandong=劉遠東氏、Sun Desheng=孙德胜氏)はそれぞれ6年、3年、2年半の懲役判決を受けた。

一方、検閲の責任者であったTuo Zhen(庹震)氏は現在、中央情報宣伝部の副部長を務めている。

【原文】

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