ワンコインから始められる「スマートルームセキュリティ」で安全安心のインフラを提供する

by Eguchi Shintaro Eguchi Shintaro on 2016.3.24

photo by Takayoshi Matsuyama
photo by Takayoshi Matsuyama

近年、街中での事件などの報道を受けて防犯やセキュリティ意識が高まっている。企業だけでなく、一般家庭においても防犯対策や高齢者の見守りのために導入を検討する人も多い。しかし、初期費用や月額のコストからホームセキュリティを導入している一般家庭は、首都圏においても普及率は6.2%とあまり高いとはいえない。もちろん、それでも地方に比べると普及率は高く、日本全体でみたときの普及率は3〜5%程度と言われている。

そこで、玄関や窓枠に設置したマグネットセンサを通じて、侵入者を検知したらすぐさま親機が警告音を鳴らす「スマートルームセキュリティ」を開発しているのが、プリンシプル社だ。

「スマートルームセキュリティ」は、自社のセンサーデバイスを家庭に設置。センサが検知して警報音を鳴らし、さらに本人や家族など事前登録した任意の人のスマホにアプリとメールで通報、災害通報と同様にマナーモードを飛び越えて通知がいく機能がある。

「通報を受けた場合、連携している大手警備会社「にしけい」の警備員に現場への駆けつけを依頼することができる。出動費は別料金で1回5000円。通常の警備サービスは初期費用が5〜10万円、かつ維持費で月額5000円以上かかるところを、弊社では自社で警備員を抱えず警備会社と提携することで月額500円の維持費から警備サービスを実現している。平時の際は安価に、有事の際は料金を支払って対応する安価な防犯システム」。(プリンシプル代表取締役原田宏人氏)

20160204-TMS_1790
扉の開閉をマグネット式のセンサーが反応し、親機のタブレットに通知がいき、そこからユーザのスマホに警報が鳴る仕組みだ photo by Takayoshi Matsuyama

当初は、大きな筐体に有線LANをルーターにつなげた仕組みだったため、ネット環境がある家庭しか導入できなかったが、2015年10月に新バージョンとしてタブレット端末の親機にSIMカードを挿入し、通信機能を内蔵させた新モデルを発表。これにより、あらゆる家庭への導入が可能となった。すでに申し込みを受付けており、2016年4月からの納品を目指し開発・量産や出荷の準備を行っている。

従来のネット環境がある家庭は初期費用14800円で月額500円、SIMカードを利用する場合は初期費用19800円で月額980円という二つのプランを用意。また、以前はスマホアプリで操作していた警備のオン/オフを、外出時や帰宅時でもスムーズに解除できる小型リモコン対応に改善するなど、ユーザーの利便性を向上させる開発も取り組んでいる。

最近は、個別の家庭への導入よりも不動産会社を通じてマンションの全棟一括導入のニーズも多いという。マンション利用者に安心安全をインフラとして提供することが設備の特徴にもつながるため、不動産会社にとってもメリットがある。不動産会社だけでなく、鉄道会社や通信会社、電力会社などとも連携を進めており、あらゆるシーンで利用できる環境づくりを進めている。現在は福岡を中心に展開しているが、今後は複数の警備会社と提携し、関西や関東でのサービス展開も視野にいれている。

現バージョンは開閉センサをもとに侵入者を察知しているが、今後は人感センサやジャイロセンサ、ドップラーセンサなどを使いお年寄りの見守りなど防犯以外の利用シーンの拡張も考えている。

「温度や照度を感知したりスマートロックと連携したりすることで、スマートホームのハブとなるホームマネジメントシステムへの展開も見据えている」(原田氏)

次なる展開として、屋内だけでなく地域全体の安心安全を提供するための仕組みを練っている原田氏。スマートルームセキュリティのノウハウと技術をもとに、屋外で何かトラブルや事件が発生した際に、携帯している小型リモコンでSOSを通知することで近隣の提携している家庭に通報を飛ばし、地域全体で見守りの意識を高める「スマートソーシャルセキュリティ」の実現を目指している。

ホームセキュリティの普及率の低さを安価なサービス提供の仕組みによって導入を推し進めようとしているプリンシプル。すでに、新バージョンに向けた開発強化のために2015年夏にはGenuine Startupやドーガン、SMBCらから数千万円の資金調達を実施している。2014年に開催された全国Startup Day in 九州でグランプリを獲得。ホームセキュリティの普及率の低さを安価なサービス提供の仕組みによって導入を推し進めながら、安心安全のインフラを提供するビジネスの可能性はさまざまな広がりを持てそうだ。

ニュースレターの購読について

毎日掲載される記事の更新情報やイベントに関する情報をお届けします!

----------[AD]----------