ベルリンのモバイルアプリ市場動向分析スタートアップPriori Dataがアジアに進出、日本の市場動向を発表

ゲストライター by ゲストライター on 2016.3.18

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Image Credit: Priori Data

本稿は、ベルリンのアプリトレンド分析スタートアップ Priori Data のコンテンツディレクター Natasha Yarotskaya 氏がまとめたレポートを THE BRIDGE が翻訳し再構成したものです。


ベルリンを拠点に世界のモバイルアプリのトレンドを分析するスタートアップ Priori Data は先ごろ、日本を含むアジア市場に進出し、同地域のアプリデベロッパのローカル/グローバル展開を支援すると発表した。2015年11月には、東京に本社を置くデジタルマーケティング分析会社のインターアローズ提携、アプリや競合市場データの販売を開始した。Priori Data のサービスでは、特に競合に関する情報、および、国やカテゴリ毎のトップ事業者に関する情報が提供されるのが特徴だ。

Priori Data によれば、2015年、日本では有料インストール、および、アプリ内決済の売上額で 世界2位の iOS アプリ市場となったことが明らかになっている。日本人ユーザはアメリカ人ユーザよりも多くのお金を使うことが明らかになっており、2015年では、iOS アプリの世界における売上の17%を占めている。

その結果として、欧米の多くのアプリデベロッパにとって、日本は魅力的な市場になった。一方で、日本のアプリビジネスはその多くが日本国内で生産されたものであり、海外企業については、特に参入が困難な市場となっている。最近の調査では、ソーシャルメディアにどれか一つを挙げるとすれば…とする日本人消費者への質問に対し、LINE を挙げた人は 49% だったのに対し、Twitter と Facebook はそれぞれ 19% と 18% だった。したがって、2016年1月の売上上位20位以内にランク入りしたアプリを見てみても、海外のアプリが一つも含まれていないのは驚くことではない。

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2016年1月の、売上ベースによる日本のモバイルアプリ上位20位

上記の20のアプリのうち16のアプリは、この地位を6ヶ月前の2015年7月には上位20位以内にランク入りしており、上位を占めるアプリが常に沈滞傾向にあることがわかる。一方、2016年1月に売上上位20位以内にランク入りした海外ゲームは、2つしか無かった。

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2016年1月の、売上ベースによる日本のゲームアプリ上位20位

日本のアプリ市場におけるボトルネック

日本のアプリ市場における現在のボトルネックは、次の3点に集約できる。

1. 日本で成功している海外企業がほとんどいない

ダイナミックな市場には海外からの参加がカギになるが、文化の違いから、日本のアプリ市場への参入は、多くのローカリゼーション作業、マーケティング予算、強固なローカルリソースが求められ、これらを用意できる企業はほとんどいない。日本に来る多くの企業は、その代わりにローカル企業との提携でこれを実現している。カリフォルニアを拠点とする Evernote は、日本の顧客から信頼を得るべく NTTドコモ と提携した。2015年12月には、シアトルを拠点とする RealNetworks が、同社の新アプリ RealTimes® を顧客にリーチさせるべく KDDI と提携している。

2. 日本のデベロッパにおける、グローバル対応の欠如

日本のデベロッパは日本市場に注力しており、グローバルのビジネス機会を得ることには、本格的に力を出し切れていない。日本のアプリは、日本やアジア市場で一定のサイズまで成長することには長けているが、グローバル市場に参入することは稀である。

3. アプリ市場に関する情報の欠如

上記2つの困難を克服する上で、アプリ市場に関する情報は解決策とはならないが、重要かつ戦略的な情報源になる。現在、日本で活躍するアプリ市場プロバイダは、ほとんどのデベロッパは支払えないような高額の手数料をチャージしている。Priori Data は、アプリ市場の状態は、ステイクホルダーに的確なデータが提供されているかどうかに依存していると考えており、現在の日本市場の状況を変えようと活動している。

Priori Data では、自社のアプリに関する情報を Priori Data に提供してくれるアプリデベロッパに対し、57の国際市場の Apple AppStore と Google Play で公開されたアプリ毎のアプリストア情報を無料で提供している。これはローカルや海外の市場機会を模索するアジアのアプリデベロッパにとっては極めて重要で、その展開においてデータドリブンな理解が可能になる。

平均と比べ、Priori Data と提携するモバイルアプリは、ダウンロード件数ベースで2.6倍の成長、売上ベースで2.7倍の成長を見せている。過去12ヶ月間で、世界中の12,500以上のアプリが Priori Data のパートナーシッププログラムに加入し、その中には Buzzfeed、SoundCloud、SwiftKey というった有名ブランドやアプリが含まれる。より多くの日本のデベロッパが Priori Data のパートナーシップ・プログラムに参加することで、これまでになく日本のアプリ市場が活気づくことを期待したい。

ゲストライター

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