世界的テクノロジーエバンジェリスト、スコーブル氏が次にくると確信した「ミックスド・リアリティ」とは

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Metaのヘッドセットを装着してご機嫌のRobert Scoble氏。Image Credit: Ken Yeung/VentureBeat

<ピックアップ> Robert Scoble leaving Rackspace for UploadVR to explore augmented and virtual reality

ここ数日、VR・AR(仮想・拡張現実)関連のニュースを追いかけておりますが、ちょっと気になる動きがありました。VentureBeatが独占的に報道してたもので、あの(といっても日本で知ってる人はかなりのギークかも)ロバート・スコーブル氏がホスティングのRackSpaceを辞めて、VR関連のスタートアップに参加するそうです。

まず、最初にロバート・スコーブル氏のことを少しご紹介しておくと、私が書いた話題だと「Yo」がありますかね。(そんなに最近でもなかった)

<参考記事>

いわゆるテクノロジーエバンジェリストで、MicrosoftやFastCompany、RackSpaceと渡り歩きながら書き続けた彼のブログ「Scobileizer」は15年も続いています。(その開始当初を振り返るブログが結構面白いです

facebookなどのソーシャルネットワークも数十万人規模でフォロワーを獲得しており、彼が何か書けば燃え上がるという「バズの申し子」みたいな存在になってます。

さておき、そんな彼が次のキャリアとして選んだのがVR/ARというのがなんとも味わい深いです。本当に来ると確信したんでしょうね。昨年のWeb SummitでOculusに出会ってメロメロになったみたいです。因みに彼は以前、ソーシャルの写真にいつもGoogleグラスをつけた格好で出てくるほどのAR信奉者としても知られてました。

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彼が今度、経営陣として参加するUploadVRですが、創業は2014年。Will Mason氏とTaylor Freeman氏が共同創業したスタートアップで、2015年末に125万ドルのシード資金を獲得、現在はVR・AR関連のニュース・コンテンツメディアを運営しています。スコーブル氏は以前、やはりオンラインメディアのFastCompanyに在籍してたこともありますし、そもそも強烈な影響力を持つブロガーですから、この場所に自分の役割を感じたのも納得がいくところです。

そしてこの記事で最も注目したい箇所が「ミックスド・リアリティ」に関する言及です。この考え方はMagicLeapも提唱しているものです。 VBの該当箇所を翻訳引用してみます。

きたるミックスド・リアリティの波

このテクノロジー・エバンジェリストの話によれば、今、二つのテクノロジーの波がやってきているという。一つは今、まさに動き出そうとしているVR(仮想現実)で、もう一つがあと数年はかかるというAR(拡張現実)なのだという。

また彼曰く、実際にはARはVRの焼き増しになるだろうということだった。

「ヘッドセットを顔につけて、例えばRothenberg Ventures(※)のような場所に(仮想的に)行ったり、開発者たちとのハングアウトをする度にこの場所がすごいと刺激を受けるんだ。ほとんどの投資金はここにやってくることになるだろうし、平たいグラスだけでは成し得ないコンテンツのアイデアを考えてるよ」(スコーブル氏)。

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※このRothenbergVenturesはRiverというVR・AR関連のアクセラレーションプログラムで有名。

彼は向こう10年で、まるで1960年代以来、何か起こることのなかったような文化的なシフトが捲き起こると確信している。

例えばテレビを見たり、ゲーム、をしたりといった普段の活動が、まるで「目の前でそれを体験しているかのごとく」感じさせてくるようになることで破壊的な変化を起こすというのだ。

モバイルデバイスには、今のVRやARのような感動はなかった。しかし、スコーブル氏はそれらを体験することで変化するのだと語る。彼曰く、将来的に電話がもはや存在しない未来を想像できるようになったという。(引用:VentureBeat)

ヘッドセットの形状から周囲が見えないVRはどうしてもゲームやポルノといったコンテンツの文脈で語られることが多く(しかも現時点でのヘッドセットがそういうものばかりなので)想像しにくいですが、実際、彼らが期待している多くはARの方なんですね。

透過型のヘッドセット(というか眼鏡型)を通じて現実世界を拡張し、対面している人物とコミュニケーションする。UploadVRの創業者2人も、これまでPC、モバイルと進化してきたコミュニケーション(テキストチャット、ソーシャル等)の進化形があると信じているわけです。

国内でも投資系の周辺で話題が活発になりつつあり、タイミングを図っているような印象はあります。スマートフォンシフトもiPhoneが出現して一気に進みましたから、そのポイントを見誤ると息切れすることにもなりかねません。

各社どのように動くのか、引き続き国内事情を探ってみたいと思います。

via VentureBeat

 

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