金谷にビジネス界のバロンドールを穫らせたいーー隠れたキーマンを調べるお・akippa松井氏インタビュー

OshibaTakanori by OshibaTakanori on 2016.3.6

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akippa取締役副社長の松井建吾氏

編集部注:「隠れたキーマンを調べるお」は、国内スタートアップ界隈を影で支える「知る人ぞ知る」人物をインタビューする不定期連載。毎回おひとりずつ、East Venturesフェローの大柴貴紀氏がみつけた「影の立役者」の素顔に迫ります。

2014年12月のIVS(Infinity Ventures Summit)Launch Padで優勝した、駐車場をかんたんに貸し借りできるサービス「akippa」。先日はグロービスなどから約6億円の資金調達を発表するなど勢いあるakippaの「隠れたキーマン」である取締役副社長、松井建吾さんにお話を伺いました。

大柴:初めまして。今日はよろしくお願いします!こういったインタビューは初めてだとか。

松井:そうなんです。緊張しますね…。よろしくお願いします。

大柴:akippaは大阪で設立された会社ですが、松井さんは東京オフィスが多いのですか?

松井:いえ、週に2日くらい東京にいるくらいで、あとは基本大阪です。

大柴:そうなんですね。松井さんの役割はどのようなものなのですか?

松井:採用面を主に担当しています。あとはCS部門も見ていますが、組織拡大中なので、採用のウェイトが大きいかもしれません。採用基準はスキル面で自分たちより優秀な人であることはもちろんですが、マインド面も大事です。素直で、お互いを認め合うことができるメンバーを集めていきたいと思っています。

大柴:採用は重要ですよね。

松井:はい。最近ではGoogleや楽天、CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)、トーマツ出身といった素晴らしい人材を採用できていて、良い組織ができてきていると自負しています。プロパーと後から入ってきた人との関係性も良いですし。その中で理念や価値観はとても重要です。

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akippaの全社集合写真/提供:akippa

大柴:その通りですね。さて、松井さんは金谷さんと高校が同じだと聞いています。

松井:はい。元々地元が一緒で、当時は面識無かったのですが、高校に進学し、入った部活の1学年上に金谷がおりまして。

大柴:そういえば金谷さんはかなり本格的にサッカーをやっていたと聞いたことがあります。

松井:そうですね。金谷はFWで、テクニカルなタイプではなかったのですが決定力があり、またとてもストイックでした。リーダーシップもあってキャプテンに指名され、金谷キャプテンの下でプレイしていました。

大柴:松井さんのポジションは?

松井:僕はボランチです。中盤の底で守備をし、奪ったボールをFWの金谷に託すという感じですね。

大柴:今と似てる感じですね。

松井:そうと言えばそうですね(笑)。金谷は少し天然のところもありますが、優れたリーダーシップで素晴らしいキャプテンでした。金谷達が引退し、次期キャプテンには僕が指名されました。

大柴:キャプテンはどのように決められるのですか?

松井:顧問の先生とキャプテンで決めます。

大柴:金谷さんは松井さんに後を託したんですね。ところで高校卒業後はどのような活動をなさっていたのですか?

松井:大学に入ったのですが中退し、その後は様々な仕事をしました。最終的にはとある通信会社の営業をやっていました。そんな時に金谷の話を聞いて、久しぶりに会うことになったんです。

大柴:久しぶりというと?

松井:卒業以来初めて会いました。同級生から「元気さん(金谷)が起業した」と聞いて。起業志向が自分にはあったので勉強がてら大阪の雑居ビルにあったオフィスに見学に行ったんです。思ってたより「ちゃんと」やってるなと(笑)。

大柴:予想よりちゃんとしてたんですね(笑)。

松井:リーダーシップがあったし、そういう面ではおかしくはないのですが、天然なところがあったので、そこが少し心配でした(笑)。でもちゃんとしてたし、経営の勉強ができそうだし、当時は何より自分自身現状に満足いっていなかったので一緒に働くことに決めました。自分がこれまでやってきた営業スキルも会社に貢献できそうだと感じたので。

大柴:なるほど。それがいつ頃ですか?

松井:2010年4月です。会社は2009年設立ですので、設立から1年後くらいの頃です。4人目のメンバーとして入社しました。その頃は携帯電話の代理店として販売したり、自社で求人サイトを運営していました。その他イベント業なんかもやってましたね。

大柴:へぇ。

松井:いろいろと数年やって足下の数字は出ていたし、それはそれでよかったのですが、中長期の戦略が無くて。今良ければ良いみたいな感じになってて。それだと顧客満足度も社員満足度も上がらない。そもそもなんのために仕事しているのだろうか?いろいろわからなくなってきて。

大柴:いつ頃ですか?

松井:2012年暮れくらいですかね。そして、金谷に聞いたんです。「この会社の目指すとこは?」と。でも「決めてない」と返事されて。それで「一度それを考えてきてもらってもいいですか」とお願いしたんです。

大柴:シリアスな雰囲気ですね。

松井:個人的に会社をやっていて一番辛い時期でした。

大柴:なるほど。

IVSでakippaが優勝

松井:その結果「世の中のインフラになるような事業をやりたい。なくてはならぬものを作りたい」と金谷が言ってきて。「なら、それをやりましょう!」と。早速壁に模造紙を貼って、そこに「不便に思っているもの」をみんなで書き出していったんです。その中に「駐車場の空き情報が知れたら便利」ってのがあって。他の候補と合わせて3つ選んで調べてみた結果、駐車場のサービスが良いねってことになりました。

大柴:ついに!

松井:はい。それでできたサービスが「akippa」です。2014年4月25日にリリースしました。

大柴:飛躍のきっかけはやっぱり。

松井:はい、IVSです。2014年12月に開催されたIVSのLaunch Padで優勝したことがやはり大きかった。サービスには自信があったけど、まさか優勝するとは思いませんでした。

大柴:優勝が決まった瞬間はどうだったのですか?

松井:ピッチイベントではあるのですが、会社として世間から認められることが初めてで。実績が全く無かったため、これまで味わった事がないくらいの高揚感がありました。方向が間違ってなかったというか。もちろんサービスとしてはその後のほうが重要なので、かなり事業を頑張りました。

大柴:約2年前に松井さんが金谷さんに質問をぶつけたのが結果的にターニングポイントというか、大きかったですね。

松井:そうですね。良かったです。

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大柴:高校の時に出会い、会社を一緒にやることになり、ずっと金谷さんを見てきてると思いますが、何か変化はありますか?

松井:元々持っていたリーダーとしての資質は今でももちろんありますが、経営者として大きく成長してきたと思います。マインドも変わったし、イメージをロジカルに伝えられるようになりましたね。ここ数年で凄く成長したのではないでしょうか。

大柴:なるほど。

松井:IVSに出る前からディー・エヌ・エーさんにはお世話になっていて、足りてない部分をサポートしてもらって、経営でもとても勉強になっています。今では1月に投資していただいたグロービス(・キャピタル・パートナーズ)さんも定例会に参加していただき、経営チームをビシビシ鍛えていただいています。

大柴:今後はどのような夢をお持ちでしょうか?

松井:今扱ってる領域はポテンシャル的には凄く大きいと思ってるんです。スケールが大きい事業だと思うし、それに見合ったスケールの会社にしていきたいです。もちろんグローバルにも展開していきたいです。金谷はディー・エヌ・エーさんにもグロービスさんにも「この事業を1兆円以上の価値に絶対したいから、力を貸してください」と話してますね。

大柴:夢は広がりますね!

松井:はい。金谷はクリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル代表の世界的サッカー選手)や、マーク・ザッカーバーグと同じ学年で「サッカーの世界ではロナウドに勝てないが、ビジネスならばザッカーバーグに勝てるんじゃないか」と天然な部分もあって言っていますが、おそらく本気です(笑)

金谷にビジネス界のバロンドール(サッカーの世界年間最優秀選手賞)を穫らせてあげたいです。

大柴:いいですね!今日は貴重なお話、ありがとうございました!

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OshibaTakanori

OshibaTakanori

Takanori Oshiba 東京生まれ東京育ち。2004年忍者システムズ(現サムライファクトリー)の創業期に参画し、取締役等を歴任。忍者ツールズ、SEOなどのサービス面から経営企画等まで幅広く従事。現在はEast Ventures フェロー。最近は「調べるおさん」と呼ばれる事が増えたが、だいぶ慣れつつある。 インターネット界隈の事を調べるお

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