ライブストリーミングアプリ「Meerkat」が方向転換、その理由は?

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Above: Meerkat for Android Image Credit: Paul Sawers / VentureBeat
上: アンドロイド版の Meerkat
Image Credit: Paul Sawers / VentureBeat

Meerkatは昨年、モバイルデバイスでのビデオのライブストリーミングで大きな注目を集めたが、本日(3月4日)、方針を変更し、新しい目的に向かって新製品開発を行うことを発表した。

このニュースは時間の問題でもあった。Meerkatには間違いなく固定のユーザ層がついており、様々なブランドがそこで実験的試みまで行っていた。しかし、PeriscopeがTwitterに買収されてから利用頻度が跳ね上がったのに対して、多くの人が、Meerkatは何をやっているのかと首をかしげた。そして、Facebookは自社のライブストリーミング機能を強く押し出し始めた。

結局2大ソーシャルネットワークとの競争が、Meerkatが方向転換、シリコンバレー風の言い回しをすれば、「ピボット」する一因となったと言える。

「Twitter/PeriscopeおよびFacebook Liveの普及率の高さによって、多くの初期ユーザが私たちのアプリから流出してしまい、計画通りの速度で成長することができませんでした。」 Meerkatの共同設立者でCEOのBen Rubin氏は数週間前、同社の投資家に対してこのようなレターを送った。本日Meerkatは、Re/codeでの記事に続き、Medium でもこの声明を発表している。

しかし、問題は、TwitterやFacebookがMeerkatと同じやり方で「立ち上がった」という単純なものではないかもしれない。ライブストリーミングのメディアは実際のところ時期尚早であり、アーリーアダプター(新しいもの好きな層)の間でだけで盛り上がっているものなのかもしれないのだ。Rubin氏は投稿の中で説明している。

今のところ、ライブ(生)の状態であることの価値というのは、セレブリティ、メディア、ニュースといった人以外にはわかりにくいものです。これらの人々、とりわけFacebookやTwitterに実際にフォロワーが大勢いる場合には、時々ライブでつながって、フォロワーにコンテンツを届けたり、彼らとコミュニケーションをとることには明確な価値があります。現在進行中のライブイベントにおける舞台裏情報などはその最たるものです。

しかし、大多数の一般人にとって、いつ、さらに言えば、なぜライブでつながらなければいけないのかということはわかりにくいです。写真をシェアするのとは違います。例えばこういうことです。Instagramが出てくる前にもどんな写真が美しいのかは皆知っており、美しい写真を撮ろうとしていました。しかし、ライブビデオについては、自分が作れる「良い」ライブビデオが何なのかがよくわかっていないのです。

とはいえ、少なくとも同社は資金不足には陥っていない。Greylock Partnersなどが1年前にMeerkatに1400万米ドルを出資している。

【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】

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