私の子供たちが、第二言語としてプログラミングを学ぶべき理由

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Randy Redberg氏はオンラインテックコミュニティExperts Exchangeの業務執行社員である。
(編集部注:本稿はこちらで参照した記事の原文を翻訳したものです)

 via Flickr by “A Health Blog“. Licensed under CC BY-SA 2.0.
via Flickr by “elfgoh“. Licensed under CC BY-SA 2.0.

私は最近、二人の若い息子の父として、彼らの目に将来世界がどう映るのか深く考えてみた。

彼らが高校生になれば、勉強する第二言語を選択することになる。今の経済状況を見れば中国語が賢い選択だろう。もしくはドイツ語でもいいかもしれない。しかし、もし子供の通う学校で代わりにプログラミング言語を選べたらどうなるだろう? 生徒たちはテクノロジーについて実践で学べるだろう。もし学校がRubyやPythonを、コンピュータ言語としてでなく普通の言語のように教えたらどうなるだろう?

学生が若いうちからプログラミングに親しまなければ、アメリカは他国に対する知的な面でのアドバンテージを大きく損なうと私は考えている。アメリカはすでに数学と科学の分野で後れをとっている。

プログラミング能力の不足は、さらに大きな不都合をもたらすことになるだろう。少人数の技術者でさえ多くの人々にインパクトと影響を及ぼす可能性を持つのがプログラミングだからだ。WhatsAppのようなグループを見ればわかるように、100人に満たないチームが作成するコードが毎日10億を超える人々に影響を及ぼしている。

プログラミングを第二言語として学ぶという考えが最初にアメリカで注目を集めたのはおよそ1年前、テキサスケンタッキーニューメキシコ州が、コンピュータのコースを外国語の履修要件のひとつとして認める法令を定めたときのことである。

先月フロリダ州議会上院は、コーディングを高校生の外国語履修項目のひとつとして認めた。ある議員は「わが州の生徒たちに末永く使うことができる価値あるスキルを学んでもらおう」と宣言している。

さらにこの議員は、教室での授業でコーディングを教えられないような地域での代替手段として、フロリダバーチャルスクールを提案し、教育のためのリソースが確保できないような地域にとっての障壁を取り除くことを狙っている。

この法案は先月末に賛成多数で上院を通過してメディアの注目を集めたが、先週下院で廃案となってしまった。この法案は下院で止まってしまったが、学校においてコンピュータサイエンスのカリキュラムをどうやって強化するかという議論を再燃させた。

子供にコーディングを教えることには、彼らが成長して人的ネットワークを作り上げていくにあたって、いくつかの重要な利点がある。

  • いくつかの研究結果は、コーディングを学ぶことと問題解決スキル、ロジカルシンキングの能力発達には関連性があることを認めている。プログラミングを基本的に理解しているだけで、複雑な問題についての考え方とその解決方法の見つけ方について、ユニークな捉え方ができるようになる。
  • コーディングを言語として、人間性の修養として教えることで、プログラミングはコンピュータ学科の枠組みを超え、教育の主要科目として認識されるだろう。そして、コンピュータサイエンスの学生だけでなく、誰もが利益を享受できるようになる。
  • コーディングの力を理解している人が、仕事のスキルにおいて比類なきアドバンテージを持っていることは疑いない。テクノロジーが、全てでないとしてもほとんどの企業に影響を与えるわが国では、カスタマイズされたソリューションの需要は高く、そしてそのソリューションは誰かがコーディングしたものである。

このデジタル時代に、私は自分の子供たちに彼らの将来を他人任せに(アウトソース)してほしくない。テクノロジーが舞台裏でどう動いているのかを理解することはきわめて重要である。しかしほとんどの教育者はコーディングをSTEM教育(科学・技術・工学・数学)の必須科目として、基本のITスキルを教える既存のカリキュラムを少しいじるだけにとどまっている。

私は、必要なのはもっと根本的なことだと考えている。テクノロジーを真に理解して再設計するには、内部で何が起きているのかを深く認識することが必要である。私たちは、基本的理解だけでなくプログラミングとアルゴリズム的思考の能力を子供たちに教え込むべきである。

もちろん、この動きを推し進めるには学校とコミュニティによる合意と協力が不可欠である。学生がコーディングを学ぶには適切なコンピュータシステムを利用できなければならず、それらの機器はテクノロジーシステムへの投資を増やして初めて調達できる。

そしてコーディングは言語と同じく、最初は暗記に頼るしかなく、抽象的思考や問題解決の出る幕はない。1年間のプログラミング経験はソフトウェアとシステム開発能力の基礎にすぎず、学校はそのような導入編だけでなく、さらに進んだコースを提供していかなければならないだろう。

私は、現代のビジネスがいかにコーディングに精通したスタッフに依存しているかを直接見てきた。企業オーナーとして、システム開発業務のスタッフ数がここ数年で目覚ましく伸びているのを目の当たりにしてきた。

自分の子供が将来の居場所を確かに持てるようにしたければ、今こそ意見を表明するときだ。子供の学校の役員会に、プログラミングのコースを学習の単位として認めるようリクエストする手紙を書くべきだ。子供の学校の教師と話し、州の議員にメールしよう。行動を急ぐべきだ。コンピュータ言語に他の言語と同等の地位を与え、テクノロジーを最優先にすべきであるということを口ばかりでなく行動で示すときである。

【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】

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