登山者コミュニティ「YAMAP」がシリーズAで1.7億円を調達——各社と協業でゲーミフィケーションにも意欲

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福岡を拠点に、登山者向けのコミュニティ・プラットフォーム「YAMAP(ヤマップ)」を運営するセフリは14日、シリーズAラウンドで1.7億円を調達したことを発表した。このラウンドはゲーム・パブリッシャーのコロプラ(東証:3668)がリードインベスターを務め、大和企業投資と福岡拠点の VC であるドーガンが参加した。セフリでは今後1年間以上にわたり、利益を上げるよりもサービス改善に注力するとしており、今回調達する資金はその間の運転資金に充当する見込みだ。

YAMAP は、電波が届かないところでも現在地が確認できる地図アプリ、山に関する情報の投稿や共有サービスを提供している。2013年3月にリリースし、今年2月末現在のアプリダウンロード数26万件、会員数16万人、写真投稿数220万件、月間のアクセス数900万PVを誇る。昨年7月には、アウトドア用品のレビューアプリ「YAMAP Gears(ヤマップ ギアーズ)」、独自保険商品、アウトドア特化型メディアの「.Hyakkei(ドット・ヒャッケイ)」を公開したほか、最近ではカメラやスマートフォン、スマートウォッチメーカーとの提携などにより、売上の多角化を図っている。

昨年オリンパスのオープンプラットフォームカメラ「AIR A01」と YAMAP のユーザコミュニティがアウトドア向けのカメラアクセサリーを共同開発したのに加え、京セラのアウトドア向けスマートフォン「TORQUE」や、国内メーカーとしては初のスマートウォッチとなるカシオの「WSD−F10」(3月下旬に発売予定)に YAMAP アプリがプリインストールされる。

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セフリ代表取締役の春山慶彦氏は、YAMAP の進捗フェーズを フェーズ1:簡単・便利の提供、フェーズ2:わくわく・発見の提供、フェーズ3:ユーザのパートナーになる、の3つに分類しており、今後はフェーズ2に特化して、山頂に到達したらスタンプがもらえたり、YAMAP ユーザ同士が FireChat のようなすれ違い通信ができたりする機能を追加したいとのこと。今回、株主にコロプラが加わったことで、位置情報系のゲーミフィケーションにも期待が持てるだろう。

また、昨年末から今年3月末までは、北海道の倶知安観光協会と提携し、YAMAP でニセコのスキー場のオフライン地図を提供し、パウダースノーを求めて来訪するスキー客がコースから外れるのを防止したり、スキー客がどのようなルートで観光を楽しんでいるのかビッグデータ解析したりする実証実験を行っている。情報は英語でも提供されているため、これまでにインバウンド観光客も含めて400件以上の投稿情報が集まってきている。

今回の調達を受けて、春山氏にセフリのイグジットプランについて尋ねたところ、2020年夏までの IPO を念頭に置くが、ユーザやサービスにとって親和性の高い組み方を重視しており、それ次第では M&A を含む他のイグジットの選択肢についてもオープンとのこと。白馬、屋久島など世界的に有名な観光地の、インバウンド需要の掘り起こしにも積極的に関わっていきたいとしている。

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