「ZOSU」改め「ZOS」——日本一シンプルなコミュニケーションアプリは、ノボット元CTOの手で次なる境地へ

Masaru IKEDA by Masaru IKEDA on 2016.3.3

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左から:藤田直哉氏、両角将太氏、伊澤伸氏

ZOSU」という iOS アプリを覚えているだろうか。2014年7月、サムライインキュベートに在籍した両角将太(もろずみ・しょうた)氏が、宅麺.com のエンジニアだった藤田直哉氏と Facebook 上のやりとり数時間で作り上げたコミュニケーション・アプリだ(両角氏は2016年1月にサムライインキュベートを退社、また、藤田氏 も宅麺.com の運営元グルメイノベーションを退社し、現在はフリーランス・エンジニアとして活動している)。特定の相手に「ZOSU」という挨拶を送る機能しか無いこのシンプルなアプリは、明らかにイスラエル発のコミュニケーション・アプリ「Yo.」をパクったものだ。

時はちょうど、サムライインキュベートのイスラエルの進出を発表し、創業者である榊原健太郎氏が同国のスタートアップ・ハブであるテルアビブに拠点を構え始めた頃のことだ。イスラエルのスタートアップ・ニュースをウォッチしていた両角氏は、8時間という短期間で完成した Yo. が2ヶ月で100万ドルもの資金を集めたことに感化され、自らも同じようなアプリを作ってみようと藤田氏に相談する。

某OA販社の営業マンの挨拶だったという「ゾス!」が、榊原さんの影響でサムライインキュベート社内で流行っていたんです。顔を合わせたら、まず「ゾス!」って言ってました。そこから、アプリの名前を「ZOSU」にしようと…。(両角氏)

zos_app_screenshot堀江貴文氏や小澤隆生氏(ヤフー 執行委員)が自身のソーシャルメディアで取り上げたこともあり、「ZOSU」はまたたく間にブームとなった。

あれから1年半運用してみて、両角氏も藤田氏もワークスタイルに変化が出てきたことから、2月4日に「ZOSU」をシャットダウンする旨の告知を掲出した。それを見た、伊澤伸氏が ZOSU のサービス引き継ぎと開発続行を申し出た、というのがこの1ヶ月の顛末だ。伊澤氏は2011年にイグジットしたノボットの元 CTO で、現在はイザワークスという開発会社を経営している。日本のゲームタイトルを東南アジアの新興国に配信するプラットフォームを運営する Bazaar Entertainment の CTO でもある。

日本人のみならず、世界中の人が使ってくれるサービスを目指すとのことで、今回のサービス譲渡を機にアプリ名は「ZOSU」から「ZOS」に改名される。「U」が入っていると、アメリカ人などから正しく発音してもらえない、という有識者からの指摘を受けてのものだ。伊澤氏は今後、API を作成し、アプリ・デベロッパのテストマーケティングに利用されるようなコミュニケーションアプリにしていきたい、と抱負を語る。ブロックチェーンを使って「ZOS」が発せられたことを証明することもできるだろう。

また、スマートウォッチは、スマートフォンのようにポケットから取り出さずに操作できる反面、ある機能をワンタップやツータップで操作完結することは難しい。その点、ZOS は操作は簡単だ。デバイス、人など、ネットにつながるあらゆるものの Keep Alive 的な使い方も可能かもしれない。

月内にも Twitter は140文字制限を撤廃し、より機能が増える方向へ向かおうとするトレンドとは対極的に、ZOS の極限までシンプルさを追求した「1ビット・メッセージングの世界」の可能性はいかに? 今後の成り行きを楽しみにしたい。

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ZOS ウェブサイトに掲出されたステートメント

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Masaru IKEDA

Masaru IKEDA

1973年大阪生まれ。インターネット黎明期から、シンクタンクの依頼を受けて、シリコンバレーやアジアでIT企業の調査を開始。各種システム構築、ニッポン放送のラジオ・ネット連動番組の技術アドバイザー、VCのデューデリジェンスに従事。SI、コンサルティング会社などを設立。Startup Digest(東京版)キュレータ。

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